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晴れた日の雨は ページ29

その日は朝から、気まぐれな空模様だった





「よく降るな…」

「うん。」





昨日から降り出した雨は、弱まる事も無く

移動中の車の窓を音を立てて叩き付ける





「これさぁ、撮影できんのかな?」





窓の外を眺めながら、呟くように発した彼の言葉を

運転席のマネージャーが拾って微笑む





「大丈夫ですよ。こんな事もあろうかと屋内のロケ地も手配してます。」

「…あ…そ。」





元々打ち合わせでは、大きな公園で撮影する事になっていた

こうして移動してる時点で、撮影が中止になる可能性はゼロに近いのに…





「……何笑ってんだよ。」

「別に、笑ってない。」

「ニヤけてんの!顔がっ!…フンッ」

「フフフッ」





ちょっと拗ねてる君を愛おしいと思う





都内を出て窓に映る緑が多くなるにつれ、雨は次第に弱くなり、青空が顔を出し始めた





「お疲れ様でしたー。」





ドアを開けて地面に足を付けると、雨で洗い流された緑が

太陽の光を受けてキラキラと輝いていた





「お待たせしました!」

「よろしくお願いしまーす!」





既に準備を済ませたスタッフ達が笑顔で俺達を出迎える





今日は…彼と二人だけの撮影





「いいですねー。じゃあ、今度はもう少し寄り添って…」





一緒に公園を歩いたり、サッカーボールを蹴ってみたり

2人の撮影は続く





空には青空と真っ黒な雲

太陽は誇らしげに輝いている





「降るかな?」

「うーん。なんか、変な天気だね。」





話しながらも、カメラに意識は向けたまま





「OK!…んー、もう少し別の雰囲気も欲しいかなぁ。」

「じゃあ、場所変えましょうか。」





結構撮ったけどなぁ





そう思うけれど、カメラマンと編集社は納得してないみたい





ふと隣を見ると、きっと俺と同じ事を思ったであろう彼が苦笑いをしていた





「少し歩いた所に、綺麗な小川が流れてましたよ。」

「…移動しますか?」

「行ってみましょうか。」





スタッフの指さす方向に歩き出す

俺達に付いて太陽も動き出す…







.

晴れた日の雨は 2→←触れられない人



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作者名:MISA | 作成日時:2016年5月5日 19時

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