証〜それでも俺達は〜 ページ16
今年のドームツアーラストの地、福岡に向かう日…
朝一番に入ってきたメールに
俺は言葉を失った
それは、宏光とも共通で仲良くしているスタッフさんで
俺の所に送られてきていると言う事は、当然同じメールが宏光にも送られているはずで…
誰よりも寂しがり屋の宏光に、こんな情報を1人で読ませてしまったなんて…
仕事だったとは言え、後悔が押し寄せる
予定の飛行機に乗る為に空港に向かうと、予想通りもう皆揃っていて、俺が最後だった
「お疲れ、太輔。」
「お疲れ。」
「あれあれ?ガヤ、遅刻?」
「バーカ。俺はもう仕事一つ終わらせて来たんだっての。」
「おっと、失礼しましたー。」
おどけるニカを適当にあしらって、宏光を眼で探せば、メンバーやスタッフから離れて一人、ポツンと佇んでいる宏光が見えた
あの様子…やっぱり…
わたに宏光の座席を問えば、すぐにその答えを教えてくれた
ついでに隣が誰なのかも…
「健永。」
教えられたメンバーの元へ歩み寄ると
「あ、ガヤさん、お疲れ様。」
いつもの可愛いキラキラとした眼を俺に向け、手に握られたそれにチラリと視線を移した
「あのさ…」
「ちょっと待って。」
ガサガサと大きな鞄をあさって、同じように与えられたそれを取り出す
「はい。」
「え?」
「交換でしょ?」
当然のように差し出されたチケット
自分が頼もうとしていたのは正にこのチケットなのに
驚きのあまり、手を出す事が出来なかった
「俺、ニカの隣が良かったのに離れちゃって、悔しかったんだよねー。だから、ガヤさんが交換してくれてラッキー♪」
無造作に俺の手から抜き取られるチケットと、代わりに差し込まれるチケット
「ありがとな。」
そう伝えて、最後にゲートをくぐった
向かった席の窓際にはすでに宏光の姿
ちょこんと座席に座り、窓の外を眺めている
「お邪魔しまーす。」
小さく声を掛けて隣に座ると、酷く驚いたように宏光の眼が見開かれた
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作者名:MISA | 作成日時:2016年5月5日 19時