断捨離？？？ ページ13
また始まった…
太輔の『断斜離』
「〜♪」
鼻歌なんか歌っちゃってさ
朝からバタバタやっちゃってる
「…この間もやってなかった？」
「ん？」
「断斜離。」
「あぁ、この間はアウターだけで終わっちゃったんだよねぇ。」
「…」
…オシャレ好きなのは分かるけどさぁ、買い過ぎなんだよ
アウターだけで1日かかるって、どんだけだよ
……太輔、これ始めると全然構ってくれなくなるんだよなぁ
太輔…俺、結構ヒマしてんぞ？
「あ、そうだ、ひろ。」
「んあ？」
「貰って欲しい服があるんだけど。」
「ん〜？」
「これ、俺よりひろの方が似合うと思うんだよね〜。あ、これも。…これもだ。」
俺の目の前に次々と積み重ねられていく太輔のお古…
「……ん？」
これ…お古じゃねぇな…
「ね、ちょっと試着してみて？」
「…」
山の様な洋服の一番上を手に取る
ゆっくりと立ち上がって、その服を胸に当ててみれば…
やっぱり…
「要らね。」
「えっ！？な、何でっ！？」
めちゃくちゃ動揺してんじゃねぇかよ
「サイズ、合ってねぇし。」
「そ、そんな事ないよ！ちょっと大きいかもしんないけど、ひろ、こういうのも着るでしょ？」
確かに、仕事で大きなサイズの洋服を着る事もある
自分で買った事もある
けど…
これ…全部、萌え袖サイズだ
「…お前、これ、最初から俺に買ったもんだろ。」
「え…？」
ワザとらしいくらいに揺れる瞳
こりゃ、図星だったな
「お前、俺の萌え袖、好きだって言ってたもんな。」
「…ぁ、ぃゃ…」
「このセーターも、このパーカーも、明らかに袖、長めだよな。」
「…ぁ…ぇ…」
親に叱られてる子供みたいに、シュンと肩を竦めて俺の話を聞いてる
いつの間にか正座してるし(笑)
「こんな事しなくたって、お前が着て欲しいなら着てやるよ。」
「えっ？」
「毎日、萌え袖で着てやるって言ってんの！」
「ひろっ///」
「その代わり、家限定な！」
「うんっ！」
「だから、もうこんな無駄遣いすんな。」
「はい…。」
手にしてる服を着て、見せてやったら、まぁテンション上がったよね(笑)
結局…俺は太輔に甘いって事だよなぁ
でも、こんくらいの事で太輔が喜ぶなら、いつだってWelcomeだぜっ！
……しっかし、これ…
10年くらい部屋着買わなくても大丈夫そうじゃね？(笑)
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作者名：MISA
| 作成日時：2018年10月18日 11時
