新しい発見 ページ11
「あ、水入れてる。」
先日、一緒に出演したラジオ
思わぬところから、俺の納豆事情の話になり…
「え、マジで引いてるけど。」
長年の付き合いでも、見た事ないくらい俺の恋人は引いていた
帰りの車の中でも
「いやぁ、新しいひろの一面を見た感じだわ。」
って何度も言ってた
本番中は二階堂程の興奮は無かったみたいだから、そこまで美味くもなかったのかなぁって思ってたんだけど、朝食に出した納豆…
おもむろに水入れて、シャカシャカかき混ぜてた
「あれ?…もしかして、結構気に入ってた?」
「んー、抵抗は無くなった。だから今度はご飯にかけてみようと思って。」
真剣な表情で納豆を掻き混ぜ続ける太輔をじっと見守る
冷静に考えれば滑稽な状況なんだけれど、
例え納豆一つでも、向き合う姿勢が真面目な太輔の性格を表してるみたいで、キュンとしてしまう
「いかがですか?藤ヶ谷さん。」
「うん、なかなかイケますね。」
「だろ?」
「ちょっとハマるかも。」
ニコニコ微笑みながら食べてるから、俺も今日はシャバシャバの納豆を作る
「ひろといると、新しい発見が沢山あるね。」
「えへへ。」
「やっぱり、凝り固まった考え方はダメだね。ひろのお蔭でまた小さな幸せ見付けられた。」
んふふって、柔らかく笑う太輔に涙腺が弛みそうになる
俺は太輔に大きな幸せを貰ったんだよ
男同士の恋愛はタブーだって…持っちゃいけない感情なんだって…ガチガチに凝り固まってた俺の思考を、ダイナマイト級の想いをぶつけてぶっ壊してくれた
あり得ないって思ってた世界に飛び込む事はめちゃくちゃ怖かったけど、この世界は幸せに溢れてた
太輔の愛はいつも、ちょっとした事でも泣きそうになるくらい暖かくて優しい…
「太輔のおススメのカフェ…行ってみようかな…。」
「え?ひろ、この間、自分の選択肢には絶対ないって言ってたじゃん(笑)」
「そーなんだけど…俺も小さな幸せ発見したくなった。」
嬉しそうに笑う太輔ともう一つ幸せを…
「…い、一緒に行かね?//」
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作者名:MISA | 作成日時:2018年10月18日 11時