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昨日残ったスープにご飯を入れて作ったリゾットを、はふはふと頬張るリスミツ
…を前に、俺も同じものを味わう
あの後、くぅ…と可愛らしく鳴った北山のお腹に二人我に返り
リビングで二人、遅めの朝食となった
「ご飯粒、ついてる。まだいっぱいあるからさ、ゆっくり食べな?」
口元に付いたご飯を指で取ってぱくりと食べると、北山がポッと頬を赤くした
「……子ども扱いすんな///」
「んふふ。昨日もそれ言ってた。…覚えてないだろうけど。」
冗談っぽく言ってしまえば、北山も俺も傷付かない
ヘラヘラ笑いながら言えば、北山は予想外に顔を赤くして俯いた
「………全部、覚えてる。」
「え?」
「昨日の事…ホントは全部、覚えてる。」
全部…
って事は、あれ、も…?
「……昨日…藤ヶ谷に抱き締められた時……ホントは俺も、ちゃんと応えたかった…」
「…え…」
「嬉しかったんだ…。本当は…もう、ずっと前から…藤ヶ谷の事…好きだった…から…」
「……へ…?」
思いがけない告白に、自分でも焦る位間抜けな声が出た
「藤ヶ谷よりも、ずっと前に…藤ヶ谷の事、好きだって気付いてた…。」
「…ほ…ほんと…?」
嬉しさなのか驚きなのか、自分の声が震えてるのが分かる
コクンと小さく頷く北山を見て抱きしめたくなったけれど、ポロポロと流れ落ちる涙を見て、思わず伸ばした手を引っ込めた
「北山…教えて欲しい。北山のここに引っ掛かってるもの…。どんな事でも俺、ちゃんと受け止めるからさ。」
北山が俺よりも前に俺を好きでいてくれたなら…差し出した手を取らなかった理由は他にある
それが何なのか、聞きたかった
俺にとってそれが、どんなに残酷な事だとしても…
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作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時