第33話 ページ42
さあ、どうしよう。
今、私の目の前には人1人が通れるくらいの隙間を空けて瓦礫の山ができていた。
多分だけど1回目の爆発のやつだろうなぁ。
下手に通って崩れてきたらやだし、かといって戻れる訳でもないし…
ほんとにどうしよう。
穴の周りを慎重に触ってみる。
うん、多分だけど私が通ったら崩れるな。
後は時間の問題か。
通っている間にこの真上とかで爆発さえ起きなければ大丈夫…よし、通ろう。
穴を崩さないようにそーっと通り抜ける。
あー、こんなことならダイエットでもしとくんだったな。
穴のサイズ結構きついな
多分通るはずなんだけどな。
ギリギリだったが無事通り抜けられた!
良かった良かった。
さて、急がないと。
そう思って走り出した途端爆発音が聞こえ足元が崩れる。
「えっ……うわぁぁぁ!」
私はそれに巻き込まれ一気に下へと落ちていく。
咄嗟に掴まった瓦礫も脆かったのかすぐに崩れてしまい、体は重力に従ってどんどん落ちていく。
あー、まじかぁ
ふと、今までの思い出が蘇ってくる。
昨日の出来事から始まり、新ちゃんがちっちゃくなって帰ってきたこと、採用試験に受かったこと、大学の合格発表の日、そして、それらは病院で目を覚ましたあの瞬間に戻る。
私に記憶が無い以上、それ以上遡ることはできない。
あー、これが走馬灯ってやつか。
やけにゆっくり感じる落ちていく浮遊感の中でぼんやりとそんなことを考えていた。
まだ死にたくないんだけどなぁ…新ちゃんに大丈夫って言っちゃったし、自分の発言には責任持てって教えてきたし……
このままじゃ死ねない。
私にはまだやることがあるから。
新ちゃん元に戻ってないし、私の記憶だって戻ってない。
赤井さんとはもっとお酒飲んでおしゃべりしたいし、哀ちゃんとおでかけだってたくさんしたい。
少なくとも私のことを必要としてくれてる人はいる。
だから、私は意地でも生きる。
ここで死ぬ運命だったとしても生き抜いてみせる。
体がバンッと瓦礫の上に叩きつけられる。
咄嗟に受身をとったため、背中は思い切りぶつけたが他の所は無事だ。
よし、動ける。
下にあったのがちょうど大きくて平たい瓦礫で助かった。
立ち上がって上を見ると落ちてきた高さはそこまで高いものでもないが決して低くもない。
3、4mといったところだろうか。
うーん、どうしたものか。
近くに登れそうな瓦礫もないし、ジャンプで届く訳でもないし
さて、困った。
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ユラ(プロフ) - もりさんさん» ありがとうございますー!!めっちゃ嬉しいです。これからも更新頑張ります! (2020年3月26日 11時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
もりさん - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください! (2020年3月25日 22時) (レス) id: 85d63b0d59 (このIDを非表示/違反報告)
ユラ(プロフ) - ちびきゅうさん» ありがとうございます!!仕方ないとは分かっていても辛いです…ちびきゅうさんも体調には気をつけてください!北海道かなり感染してるので…これからも更新頑張ります!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
ちびきゅう(プロフ) - 作品読ませて頂きました!私も作者様と同じく北海道住みで臨時休校になりました。せっかくの休みなのに外出できないのは辛いですよね...体調に気をつけてこれからも更新頑張ってください! (2020年3月2日 2時) (レス) id: c6bc8574cb (このIDを非表示/違反報告)
ユラ(プロフ) - 零さん» 沖縄…1回も行ったことないので行ってみたいです!学級閉鎖と重なって休みになるのは大変そうですね…。作者は耐えられない気がします笑 ありがとうございます!大好きって言ってくれてめちゃくちゃ嬉しいですー!!更新頑張ります!零さんも体調にはお気を付けて! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユラ | 作成日時:2020年1月13日 21時