弱いのよ。{緑}

としみつとの始め方。2 ページ30

この鍵は２つペアになっていて、

両方の鍵を開けないと扉は開かない。



私に好きな人がいないなら他の子に譲っていたけど、
私にも好きな人はいるんだ。



ねぇ？としみつ。




一か八か、告白してみよっかな...





大体、文化祭が終わればあっという間に卒業だ。


しかも何気にとしみつの進路は知らない。


ここで別れて、永遠に会えないなんてこともあるのだ。


だったらいっそ当たって砕けてしまおう。


思い立ったが吉日、今すぐ行動に移してしまえ。









『としみつ、』

と「あ？」


『ちょっと』





その日、私はとしみつを呼び出した。



呼び出したのは、小さい頃2人でよく遊んだ公園。

としみつと私とてつやと、ゲーセンで遊んでたところを抜け出して来た。

残った奴らでも十分ワイワイできるだろ。




と「なに？」


『あんさ、うちずっととしみつのことが好き』

と「...はっ！？」



『好きだよとしみつ。』




突拍子も無い告白。返事はきっと





と「....ごめん、俺、今お前のこと友達としてしか見れない..。」




ほらね？NOだ、分かってた。





『...っ、知っとるそんなこと！そんなことも知らずに告白したらウチ、アホみたいやんなっ？』





と「...」




『これ、これだけ持ってて。』



としみつの手を開かせて、その手に無理やり握らせる。



と「おまえこれ、なんで」


渡したのは勿論、開かずの間の鍵。



『知らん、でももし、もしも考えが変わったら、
教室のドア開けに来て。文化祭終わった後、ずっとそこで待ってるから。』









こうなることなんて分かっていたはずなのに、


その日は涙が止まらなかった。



思い立ったが吉日、そんな言葉を作ったのは誰だ。






全然吉日じゃないやんか、アホ。

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