気がついたらeidolon 4

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俺はフード深く被っている無傷の契約者を凝視する。
なんでコイツはあの強いメンツと戦っても何ともないんだ？
俺の中のわずかな魔力を目の周りに集める。


は？マジ？あれ実体じゃない訳？
影を作り出して･･･
タイスケ達は影相手にもあんなに苦戦してるってこと？


俺の身体が震え出す。
待てよ、影で人を殺すことは出来ない。
でも確実にアイツはタイスケを狙ってるわけで。
じゃあ実体はどこにいるんだ？


探そうと思っても俺のわずかな魔力じゃ、見つかる訳もなくて。
俺召喚獣としている意味あんのかよ･･･
震える身体を自分で抱きしめる。
アイツがタイスケを狙う理由さえ無くなれば、この戦いは終わるよな？
アイツの考えは？この国に拘る理由はなんだよ･･･
それさえわかれば、タイスケたちを助けられるかもしれないんだ･･･


これ以上傷つくみんなを見たくねぇよ･･･


フワッと俺の見ている景色が変わる。
5歳くらいの男の子がいて･･･
あれは？タイスケ？
いや、違う、親父さんか？
それを影から見ている同い年位の男の子がいて･･･


｢ダメよ、あの方は第1王子。そんなに見てはいけません｣


｢母様、なんで僕達はここを出ていかなきゃいけないの？｣


｢私たちは私たちに見合った暮らしをしていくのよ｣


｢なんで？母様が国王様の本当の奥さんじゃないから？｣



え、ちょ、これ、親父さんとの腹違いの兄弟ってことか？
俺これ過去かなんかに飛んでるの？
まぁ、異世界に飛んだんだから過去に飛んでも今更驚かねぇよ･･･
ちょ、ちょっとは驚いたけどな･･･


そしてさらに場面が変わる。


｢ここに残ってもいいんだぞ？｣


｢国王様、恐れ多いお言葉･･･でも私達は平民として暮らしていきます｣


｢私の子ではなくても、私の弟の子どもだ。私の子どもとして、この国を支えて行ってほしい。それだけの魔力も器も、アイツの子ならもっているだろう｣


｢いいえ、この子はこの国の跡継ぎ争いに巻き込みたくありません。あの人のように･･･｣


｢アイツが望むなら･･･国王の座だって渡したのに･･･｣


｢何を言っているのですか？国を治める力量はあなたの方が遥かに上です。謀反を企んでいたあの人に気がつけず･･･本来なら私たち親子も罪に問われてもおかしくないんです･･･｣


｢あのなぁ、お前は俺の弟の嫁の前に大事な幼馴染だ。苦労せず生きていけるだけの手立てはする｣


｢生かしておいて頂けるだけで･･･感謝します･･･｣

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