気がついたらeidolon 2

95 ページ45

「ん？街に出たかったの？てか、タイスケ今まで召喚獣連れて出かけたことないの？」


「いや、契約終わってなかったし、ほら、チャーマ魔力ゼロだし」


「でももうみつと契約したんだろ？」


「したよ。今は俺の魔力あげて生活してる」


「ならいいじゃん。街くらい連れてってあげても」


「いや、でも何があるかわからないし」


「ニカ、第一王子様はめちゃくちゃ過保護だぜ。室内の遊びですら制限かけてて、みちゅ可哀想なくらいだもん」


「はぁ？過保護！？」


「いやいや、自覚がないなんて言わせないからな！ワタルだって影では言ってんだからな！」


ユウタ･･･それオレンジ君とばっちり･･･
完全に巻き込み事故･･･


「ワタル･･･そう思ってたの？」


ひぃーーー！！
今度はオレンジ君が標的だぁ！
ニカ、命が救われてよかったな･･･
問題はオレンジ君だよ。
ユウタは終始ズバスバ言ってるから、そんなもんなんだろうけど。
オレンジ君はタイスケの右腕的な存在のはずだ。
上手くかわすのか、ガッツリ受けてしまうのか･･･


「もちろんですよ。まさか気がついてなかったんですか？」


うわっ！オレンジ君、物凄い丁寧な言葉に変わった。
そして真正面から受けた上に攻撃まで加えたー！
なんなんだ？もしかしてオレンジ君最強説？


「なぁ、室内遊びでも制限あるって何？」


「「ヒヨコ号」」


あれ？ユウタとオレンジ君、ハモってる。


「2人ともそれ、誰から聞いたの！？」


そしてタイスケ怒ってるー！


「いや、有名だろ？みちゅが文句垂れてるのも納得だよ」


「さすがにその制限はやりすぎだと思いましたよ。チャーマ様にお願いされるたびに、何度いいよ、って言ってあげたくなったか･･･」


待て待て待てぇーー！！
今度は俺！俺が巻き込み事故！！
スルースキルもかわす能力も、直接受ける度量もないですけどーー！！


「ほほぅ、チャーマ。ワタルにもユウタにも、ヒヨコ号で遊べないって文句言ってたわけ？」


「もんく、ちあう！」


やっぱり来たじゃねぇか！飛び火だよ、こんちくしょー！


「へぇ、文句じゃなきゃなんなわけ？」


「じじちゅ」


「「「ぷっ！！」」」


3人が吹き出すとさらにタイスケの表情が怖くなる。


「たーしゅぅ、わらう、ちて？おかお、こわーよ？きちゃーま、わらう、たーしゅ、しゅきよ」


飛びついて頰っぺを両手で挟むとタイスケの表情が緩む。


「チャーマ様が1番凄いですね･･･」

96→←94

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す