気がついたらeidolon 2

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それからのタイスケとオレンジ君の動きは素早かった。
タイスケのお父さん、所謂国王に内密に話を通して許可をもらってきた。
オレンジ君は街の人とも仲が良いようで、平民の服をあっさり調達。
しかも2人の話を聞く限りじゃあ、昔から城を抜け出して街に遊びに行っていたそうで･･･
どんだけ不良息子だよ！
なのに俺だけ城に閉じ込めて置くなんてなんなんだよー！
それだけ溺愛されてるんだなぁ、嬉しい！なんてアホみたいなことを思う程、俺おめでたいやつじゃないんで。


「すまないな、ユウタ。お前がいると目立ちすぎる」


「はぁ？ワタルそれ本気で言ってんの？俺のこと置いていく気か？」


「1人で置いていくわけないだろ？とにかくお前やたらイケメンすぎて悪目立ちするんだよ」


「やだね。俺だってついてくよ」


「その姿じゃダメだ」


「はぁ？ふざけんなっ！」


あー、ユウタめっちゃ怒ってるね。
怒ってる顔でも綺麗だなぁ。
やっぱりさ、顔立ちが綺麗な人ってどんな顔してても絵になるんだよなぁ。
あっ、今度変顔してもらおう！さすがに変顔はイケメンでも変顔だよね。
なんて思いながらトテトテ歩いていると、もふもふにぶつかった。


「いちゃい･･･」


ぶつかった挙句に俺がひっくり返ったが、ヒートアップしてるユウタとオレンジ君は気がついてない。
もー、なんだよ、このもふもふ、邪魔だよ！
キッと睨むとそこには･･･


ウトウトと眠っているコアラ！！



コーアーラー！！！俺、動物園で1回見ただけ！
なんでこんな所にコアラがいるの？
そっと触ってみる。
が、まだ起きそうにないので、わしゃわしゃ毛を揉みくちゃにしてみる。
ヤバい、これ楽しい！
ルンルン気分でわしゃわしゃして、鼻歌まで歌ってしまう。
いいねぇ、こんなこと向こうの世界じゃ出来なかったからなぁ。


ばちっ


「ひぃーーーーー」


コアラと･･･コアラと･･･目が合ったーー！！！！


「こ、こ、こあーしゃん･･･」


心臓が口から出そうですけど！
バクバク言ってますけど！！


「なにかご用でもおありかな？」


しゃ、喋ったーーーー！！！
ゆっくり優しい口調だけど、あのコアラがしゃべってる！


「もふもふ、しゃわる･･････ちた･･････」


「ん？触りたいの？いいよ」


い、いいの？いいの？触るよ？
どれだけわしゃわしゃ触っても文句を言わないコアラに段々と俺は調子に乗ってきた。
いやさ、だって気になるんだもん！

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