気がついたらeidolon 2

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「たーしゅ、けぎゃ、だーじょーぶ？いちゃい、にゃい？」


「もう、さっきも言ったでしょ。大丈夫だよ、チャーマが助けてくれたから」


まーーーーったく記憶にございません。
どこぞの政治家のようになったのは言うまでもない。


「チャーマはね、チャーマが思ってるより凄いんだよ」


「う？」


「わかんないよね。うん、でも今はそれでいいよ」


俺が凄いことはわかってる。
なんなら俺、違う世界から来たからな。


トントン


「第一王子、戻りました」


この声はオレンジ君！


「ワタル！」


急いで扉を開けてオレンジ君を迎え入れる。
タイスケの顔、かなり真剣だな。
国家の危機だからそりゃそうなるんだろうけど。
何でもないといいな･･･


「どうだった？」


「境界石にヒビが入っていたので修復してきました」


「やっぱりか･･････」


この神妙な空気の中、それってどんなこと？なんて聞けるわけもなく。
オレンジ君の隣りにいる高身長のイケメン君は誰なんだい？ってのも聞けないまま、ちらちらとその人を見てしまう。


「国と国の境界に石が置いてあってね、その石と石を結界で繋いでるんだ。そこから誰か違う国の者が入ってきたらすぐ分かるようになってるんだけど･･･今回その石にヒビが入ってたんだ。結界に不具合が生じてね、誰が侵入したかわからない状態だったんだ」


ほうほう、なるほど。
って･･･なんで！？
隣りで俺の目線にしゃがんで話してくれるイケメン君。
間近で見てもイケメンだな、おい！


「おっ、ちゃんと契約したんだ」


ん？このイケメンは何を話してるんだ？
はてな、な顔をして首をコクンと傾げてしまった。


「あー、相変わらず可愛いなぁ」


ええっと、相変わらずってことは前にも会ってるってこと？
こんなイケメン見たら忘れないんだけどなぁ。


「あれ？俺が誰だか分かってない？」


わかってないっていうか、多分初めましてだと思うんですけど？


「俺、俺、名前･･･教えてなかったっけ？」


こっちの世界にもオレオレ詐欺があるのかっ！
でも俺を騙しても何も出せないぞ！
俺は確かにタイスケのこの豪華な部屋でぬくぬく育ってるけどな、全部コレ、タイスケのだから！
言い方悪いけど、タイスケのスネかじって生きてる俺から何をもらいたいんだ？

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