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なんで普通に喋れるのか、なんで俺が大きくなってるのか、そんなこと今はどうでもいい。
タイスケが死ぬなんて、そんなこと絶対に許せなかったし、認めない。
「ふふふ、大丈夫・・・こんなことで・・・死ぬわけ・・・ないだろ?」
「こんなに血を流して・・・俺に魔力与えすぎなんだよ・・・」
「えーー・・・だって・・・あぁでもしないと・・・チャーマとキス・・・できないだろ?」
「死にそうになりながら言うんじゃねぇよ・・・死んだら・・・何もできねぇからな!」
なんか、ムカつく!
死にかけてるのに何なんだよ!
キスだのなんだの・・・アホじゃねぇ?
腹部の傷を両手で押さえて止血をする。
ちっくしょー、止まんねぇよ!
でもぜってぇー死なせねぇ!
なのに全然血が止まってくれない・・・
この血の量、やばくねぇか?
片手でおさえながらもう片手を見る。
すげぇ血だな、おい!
マジ絶対死ぬんじゃねぇぞ!
その血をペロっと舐めてしまった。
ドクンッ
俺の中でなにか不思議な力を感じる。
何かは分からないけど、本能で感じる。
自分の指を噛んで傷をつけ、タイスケの口元に持っていく。
「・・・お、い・・・チャーマ・・・何してる・・・」
「このままじゃ死ぬよ?そんなこと許さねぇからな・・・俺の血を飲めば・・・契約完了だ」
「ばっ・・・か・・・その・・・やり方は・・・・・・」
「魂まで縛る、魂縛契約だろ?そーでもしなきゃ、タイスケ助からねぇ・・・」
ぐっとタイスケの口に俺の指をねじ込む。
さっさと俺の血飲みやがれ!
ごくっ
俺の周りに真っ赤な魔法陣が浮き上がり、さらにピンクのお馴染みの魔法陣が浮き上がる。
二つの魔法陣が重なった瞬間、タイスケの銀髪が黒に染まる。
心臓に激痛が走る。
これはきっと、魂と魂が繋がった痛み。
「我が名はキタヤマ、ヒロミツ。汝の名は?」
「タイ・・・スケ・・・フジ・・・ガヤ・・・」
「我、キタヤマ、ヒロミツは、汝タイスケ、フジガヤの召喚獣となる」
不思議と口から淀みなく出てくる言葉。
言い切った途端、俺の身体の中にある大半のものがグワッと失くなる感覚。
やべぇ、俺のが死にそうだけど・・・
「チャーマ・・・この魔力・・・チャーマの・・・?」
「ほぼほぼ持っていきやがって・・・これで死んだら・・・許さ・・・ねぇ・・・」
黒髪のタイスケなんてこっちの世界に来た時くらいだぞ?
レアなもん見たな・・・
あぁ・・・もう・・・ダメだ・・・
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WHITE(プロフ) - 茶々丸さん» 茶々丸さん☆初めまして、コメントありがとうございます♪チャーマを愛でて頂いてありがとうございます。ヒヨコ号禁止という過保護っぷり・・・それだけ溺愛されているんですけど本人には伝わっていないという(笑)更新頑張りますので、またよろしくお願いします! (2017年12月19日 20時) (レス) id: 6606f9fb9a (このIDを非表示/違反報告)
WHITE(プロフ) - きょうさん» きょうさん☆チャーマ、それなりに喋るようになりましたー!でもまだカタコトです(笑)チャーマを可愛がって頂いてありがとうございます。ヒヨコ号の許可・・・過保護な王子様はなかなか頷いてくれない気がしますが、チャーマはきっとめげませんよ(笑) (2017年12月19日 20時) (レス) id: 6606f9fb9a (このIDを非表示/違反報告)
茶々丸(プロフ) - WHITE様初めましてお邪魔します。毎回可愛いチャーマを私も画面上で愛おしく見守っておりますw今はとにかくヒヨコ号の外出許可が出る事をせめて室内で遊べるように祈っておりますwおままごとで遊ぶチャーマも見て見たいかも〜w続き楽しみにしております。 (2017年12月18日 21時) (レス) id: 525186f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
きょう(プロフ) - 前よりもチャーマがたくさん喋るようになって可愛いすぎます!一生懸命どこから来たか説明してるところは可愛すぎて悶えました。ヒヨコ号の許可が出るように願ってます(笑)。いつも可愛いチャーマとデレデレなターシュに癒やされてます。 (2017年12月18日 1時) (レス) id: 542cb418be (このIDを非表示/違反報告)
WHITE(プロフ) - きょうさん» きょうさん☆初めまして、コメントありがとうございます。ヒヨコ号のくだりが実は書いていて一番楽しい所だったので、そう言っていただけて嬉しいです♪これからも楽しんで頂けるよう頑張りますので、よろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年11月22日 22時) (レス) id: 6606f9fb9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:WHITE | 作成日時:2017年10月17日 0時