気がついたらeidolon 2

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うわっ、しまったー！
ベッド周りの長いふわふわの絨毯の毛に気を取られて、高級そうな壁にぶち当たっちまったじゃん。
ひぃーー！！これさっき注意されたのに、しくじったやつー！
絶対怒られる･･･


恐る恐るターシュの方を振り返ると、そりゃあもう恐ろしい顔をしていた。


「たーしゅ、おかお、こわっ･･･」


このセリフ前にも言って余計に怒らせたことあったよな？
怒られるフラグはきっちりと立った。


「チャーマ！！あれだけ危ないって言ってただろ！！」


ですよね、ですよね。
なのにターシュに当たらないギリギリに止まって、ドヤ顔してたんだから。
しくじったら怒られるに決まってますよね。
もう怖くてしゅんとしたまま、顔が上げられない。
そのままぶつかってしまった壁を盗みる。
よし、見た限り凹んだり歪んだりしてないな。
そしてなにより俺のヒヨコ号。
顔面激突してたけど大丈夫か？
ターシュが怒ってるけど、俺は段々ヒヨコ号の方が心配になってきた。


んしょ、んしょ、と降りるとヒヨコ号の正面に回る。
両手でヒヨコの顔を包んでいろんな角度から確認する。
大丈夫そうだ！


「きちゃーま、ひょーこごー、きじゅ、なしっ！」


思わず指差し確認して、声に出してしまった。
おや、なにか不穏なオーラが俺の近くにやってきたようだ。
ああ、そうだった･･･俺、ターシュに怒られてたんだった･･･
何指差し確認なんか気合入れてしちゃったんだよー！！


「チャーマはなんで空気が読めないかなぁ。大人だって言ってたの誰？」


うわぁ、コレ本気のヤツ！


「きちゃーま、おちょなもん！たーしゅ、いぢわりゅ！」


思わずぷんっ！としてしまったけど、どう考えても俺が悪いだろうなぁ･･･
そして完全に謝るタイミングを失ったよな･･･


「ワタル･･･これ持ってって。チャーマの･･･ヒヨコ号」


なにっ！？やだ！俺へのプレゼント！


「やにゃー！やにゃー！ごめちゃ、しゅるのー！きちゃーま、ひょーこごー、ほちーの！」


「だっめ！お約束守れない子にはあげられません！」


「まもりゅー！まもりゅー！ひょーこごー、いりゅー」


涙が止まらないどころか、鼻水まで垂れてきて顔面崩壊なのはわかってるけど。
ヒヨコ号だけは譲れない！


「たーしゅぅー、ごめーちゃ、ごめーちゃぁー」


「･･･約束守れるの？」


「あいっ！！」


「しょーがないなぁ･･･ワタルいい？」


「･･･勝手にして」

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