気がついたらeidolon 2

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あー、なんで泣いてるのって･･･起きたらターシュがいなくて捨てられたかと思ったなんて言えねぇよな･･･


「おきちゃ、たーしゅ、いにゃ」


「あ？たーしゅ？誰ソイツ」


え？誰？誰でしょうね、噂では第一王子が最有力候補なんですが。
そんなアホな事言っても信じてもらえるかわかんねぇからなぁ。


「きちゃーまの、たーしゅ」


「うーん･･･まぁまだみちゅは赤ちゃんだからなぁ」


はぁ？赤ちゃんじゃねぇし！こんなヒヨコに赤ちゃんとか言われたかねぇよ。


「ん？違うな･･･なんか･･･すげぇ力で封印されてね？」


このヒヨコさんは何を言ってるんだ？
俺に封印とか意味ねぇだろ？
そもそも俺はただの一般人なんだけども。


「みちゅさぁ、魔力ないだろ？それ、多分封印されてるからっぽい」


「にゃっ！？まほ、ちゅかえる、にゃい」


「だろ？封印されてんだよ」


うーん、ヒヨコさんにうまく伝わらない。
最初から魔法が使えないんだけどなぁ。
そもそも魔力自体が最初からないんですけども･･･
俺のいた世界は魔力がなくて文明の方が発達してたからなぁ。
だってこの世界に電子レンジだのテレビだのって見たことねぇもん。


「ちあう、まりょく、にゃい」


「だーかーらー、魔力が出ないようにされてるから魔法が使えないの！」


このヒヨコ、俺のこと物わかりの悪いガキ扱いしやがったー！


「ちあう！まりょく、もって、にゃ」


「初めからないって言いたいの？」


「しょう！」


やっと伝わったぜ！
それが嬉しくて思わずヒヨコさんをナデナデしてしまう。


「ひょーこしゃん、かーいーねー」


触り心地が良くて思わず声に出してしまう。
そのままほっぺにすりすりして、その柔らかさにほっこりしてしまう。


「ちょ、みちゅ、お前ねぇ･･･」


ヒヨコさんがちょっぴり抗議の声を上げたけど、それでもされるがままになってくれている。


「あのなぁ･･･」


目の高さにヒヨコさんを合わせると、つぶらな瞳とぶつかる。
あっ、なんか本当に可愛い。
思わずそのクチバシに、ちゅっ、とキスを落としてしまう。
ほら、よく犬とか猫にやる感じの愛情表現ってあるだろ？


「み、みちゅ！！そーゆー、無自覚なやつってタチが悪いんだぞ！」


羽をパタパタさせながら怒ったように言うけど、気持ちほっぺが赤くなってる気がする。
このヒヨコさん、照れてるじゃん。
マジ可愛い！
見た目がベビの俺に言われたかないだろうが、可愛すぎる。

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