クリスマスは知っている。 ページ37
若武 で、スピーカーフォン切ったわけ。その先は言えん、約束したんだ。
上杉 へぇ、密約か。そのために砂原んちに行くことになったってわけだな。冗談じゃないぜ。わけ分かんない目的のために行くのなんか、俺はゴメンだ。パスする。
若武 置い、上杉、さっきからなんのかのって理由つけてっけど、結局お前、ただ行きたくないだけなんだろ。
上杉 殴ってほしいんだったら、素直にそう言えよ。
若武 それはこっちのセリフだ。
小塚 そんな理由で殴り合うなんて、馬鹿げてるよ。若武がどんな約束をしたって、いいじゃないか。放っておけよ。僕たちが考えなくちゃいけないのは、とにかく砂原にお礼を言うってことだよ。あのときは、こっちが突然コンタクトして、砂原に色々教えてもらっただろ。お礼を言うとなれば、家まで行ったほうが丁寧だし、本人がそう言ってるんなら、余計その方がいいよ。行こうよ。
黒木 砂原のおかげで、随分助かったんだからさ。ま、どんな密約があろうとも、諦めていくんだな。分かったかい、上杉先生。
上杉 分かったよ。ただし俺は、何も喋らないからな。礼を一言言うだけだ。それでよければ、行く。
小塚 それにしても、砂原の家って、今どこなの。砂原ミートは、もう取り壊されちゃっただろ。
若武 もちろん新住所を聞いてあるさ。リーダーをなめんなよ。今は里親に引き取られてるんだって。父親が公判中で拘置所にいて、あいつの面倒をみる大人がいないから、警察と児童相談所と民生委員が話し合って、預け先が決まったらしい。それが、すっごくいい家で、今、最高に幸せなんだってさ。
彩 \(^o^)/
若武 ヤバッ 俺の口って、超・軽いみてぇ 止めらんねぇ。あぁダメだ。もう我慢できない。
砂原は、アーヤにそれを見せたいんだ。
上杉 お前、ホント自分勝手じゃね?
若武 上杉先生だって、すっごく知りたがってたじゃん。分かってよかっただろ。砂原んちに行く気になっただろ。俺の口のライト感覚に感謝してもいいんじゃない?
黒木 口が軽いのは、問題だろ。 ポイッ
若武 悪いな黒木、いただき。
上杉 アホゥ 黒木の投擲力って、抜群なんだぞ。それを喉で受けるなんて、アホとしか言えん。
若武 ゴホゴホ 紙ごと、飲んじゃった。レントゲン、撮ったほうがいいのかな。
黒木 じゃ、砂原んちに行く日を決めて連絡くれよ。
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作者名:CAORU x他1人 | 作成日時:2020年8月17日 15時