【ヒロアカ】鷹と雷鳴箸休め【番外編】 (ページ4)

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「頼むけん、起きてよ」

さっきから誰かが私に話しかけて来るが、重たい目はまだ開きたがらないので、私はまだこの愛おしい温もりに包まれたまま意識を沈める

「A？起きてくれんと、ぎゅーして俺も寝ると？ええん？」

私、知ってるな、こいつの事
いつもは誰にも触らせない髪を(尊敬する人は別)優しく撫でるその手に気持ちよさを覚えて、されるがままにまた思考は夢へと誘われる

「わー、頭撫でても怒られんとか、もう俺にこれ以上の幸せは訪れん気がする·····」

ふわふわとした思考の中入ってくる、その声の正体は一体·····
そう思って目を開いたのと、反射的に足が出たのはほぼ同時だったと思う

「あっはっはっはっ！いやー悪ぃ悪ぃ！ここまで起きねぇとは思わんかったわ！」

「三島さん·····、笑い事じゃないですよ·····俺、初めて三途の川見たかもしんない」

「へっ！頭の私室にズケズケと入るからだヴァーーーカ！！」

「いやぁ、盛大な音だったねぇ、ほら湿布貼ってあげるから裾まくって」

「ありがとうございます·····」

一瞬何が起こったのか分からなかった
本当に一瞬って言葉がここまで似合う出来事は早々ない事だろう

初めて触ったAの髪にちょっと、いやかなり気を取られていたのは事実で舞い上がっていたのも事実

うわー、サラサラだァ

なんて思ったのも束の間
俺は一瞬にして床の畳と綺麗な壁と仲良しこよしになっていた
右脇腹の痛みと状況で「あ、俺蹴られたんだ」と気が付いたのはその状態になって1分程経った頃

ムクリと起き上がったAを見て謝ろうとしたのと同時に三島さんが飛んで来てくれたのは正直超有難かった

「でも蹴りで済んで良かったなァ、千葉なんか雷纏った拳で1発KOされて以来、怖くて朝、頭の私室周辺立ち寄れねぇんだぜ」

「アッ！ちょっ、三島さん！？それは言わない約束！！」

「へぇ、だから俺がAの部屋入っても飛んでこなかったのかぁ」

「ちっげーよ！！それはちょっと情報が遅れただけで！！」

「あれ？千葉さんって八雲組の凄腕情報マンじゃなかったでしたっけ？」

「オメェ、さては喧嘩売ってんな·····？」

ははは、さて彼女には何て言おうかなぁ