【MHA】愚を守る【男主】 (ページ34)

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「３位、てつて…アレ！？心操チーム！？」

プレゼントマイクのうるさい実況が聞こえて「びっくりしてるねぇ」と心操クンに声をかけるも無視される。
ここから先は敵だからトモダチごっこはしませんって？

「ご苦労様。」

そう言い去っていく背中を見届ける。
呆然としている尾白クンに「大丈夫？」と声をかけると、尾白クンの顔は真っ青になった。

「……いつの間に……？」

『そりゃそうなるよねぇ～尾白クンは洗脳されて心操クンの騎馬として騎馬戦に参加してたって感じだよ～』

「災難だったねぇ」と言うと尾白クンは黙り込んでしまう。
自分の警戒心が薄かったことを反省すればいい。

本戦に上がれると思えば得をした気もするけど。

『まぁまぁ、本戦で巻き返せばいいよ！お疲れ様！！

お昼休憩だよ～？行こう行こう～』

尾白クンに笑いかけると、予想外な言葉が彼の口から出てくる。

「俺、本戦は辞退するよ。

やっぱりこんな…ズルみたいな、ダメだと思う。
俺は洗脳されてただけで、活躍してないし…」

彼なら、いい勝負を繰り広げることができただろうに。

USJ襲撃事件の時も、一人で戦い抜いた彼だ。
こんなチャンス、逃していいのか？

『でも騎馬として動いてたし…これで本戦に出てもバチは当たらないよ～？』

「それでも、俺は出るべきじゃない…と思う。

ごめん、時間とって。」

そう言って尾白クンも去って行ってしまう。
後ろにいたB組の生徒も考え込んでいるようだ。

『……良心が痛むってなら、辞退してもいいと思うけど…このチャンスを利用するのは、間違ってることじゃないと思うよ？』

そう告げて、俺も会場を後にした。
尾白クンが、B組の生徒が、辞退しようがしまいが俺には関係ない。

俺は、結果を残す。それだけだ。