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「〜〜〜で」

「ぁ〜〜」


2つの声で目が覚めた。
ゆらゆらと揺れる体。
この感覚知ってる……車、かな?

そっと目を開けてみると頭が膝の上に乗っていた。
多分まふまふさんかそらるさんだろう。
起きたということがバレるのが怖くて寝たふりをする。

外から聞こえる音に耳をすましてみる。
あんまり遠くまでは来ていないようだ。
何処か、車が止まった時に逃げ出せないかな?

脱出方法を考えているとふわっと頭に手がのった。
そのまま、髪をかき分けられる。

「……A、起きてるの分かってるよ」

その言葉にびくっと身体が跳ねた。
バレてるならしょうがない、と勢いよく身体を起こす。
膝枕をしていたまふまふさんと対面状態になり恐怖か緊張か、どくどくと心臓が五月蝿い。

「帰らせて…」

「Aが帰る場所はあそこじゃないよ。
それより自分の体、見てみたら?」

何だろうと目を下にやると上の服を着ておらず、ブラジャー姿な自分が。

慌てて手を胸の前に持っていき隠す。

「なんで、服は、?」

「Aに逃げられるといけないからちょっと恥ずかしい姿になってもらったの」

寒いでしょ?と上着をかけるためにまふまふさんの膝の上に座らされる。

上着をかけると首もとに触ってくる。
ピリッとした痛みに驚いてまふまふさんから離れようとした。
でも、腰に腕を回されてる状態じゃとてもじゃないけど動けない。

「ごめんね、痛かったよね」

そう言ってまふまふさんに引き寄せられて抱き付かれる。
ふわっと香る匂いに心が落ち着いた。
すんすんと控えめに匂いを嗅ぐとまふまふさんから笑い声が聞こえる。

「この匂いA好きでしょ?だからこの匂いの香水探してつけてきたの」

ほんのり甘いバニラの香り。
この人は何で私の好きな匂いまで把握してるんだろう。
考えただけでも恐ろしかったので思考を停止させた。

こんな格好じゃ逃げれないだろうと諦めた私はまふまふさんの背中に腕を回す。
まふまふさんほどではないけどゆるーく抱き付く。

「ふふ、かぁわい」

肩にぐりぐりと頭を押し付けてくるまふまふさん。
というかこの人、対応の差がありすぎでしょ。

さっきまでの人を殺せそうなくらい殺気だった目は何処かにいって、今は蕩けるような目をしてる。









「ちょっと、俺のこと忘れてない?」

車が止まると共に前から聞こえてきた声に驚いた。

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みくる - ずっと拝見させていただいております(><)この作品がとても好きで、更新を楽しみにしています…!時間がかかっても大丈夫ですのでいつか続きを書いていただけるととても嬉しいです!応援しています。 (2020年6月22日 20時) (レス) id: e902565655 (このIDを非表示/違反報告)
まぬん(プロフ) - っ……つつつつ続きを……!! (2020年6月7日 19時) (レス) id: d24847e3a9 (このIDを非表示/違反報告)
落ち葉(プロフ) - 歌い手の信者さん» ありがとうございます。不登校って辛いですよね……甘えだとか言われて……少しでも勇気づけられてよかったです。 (2020年5月23日 9時) (レス) id: a854202127 (このIDを非表示/違反報告)
歌い手の信者 - 実は、自分、不登校だった事があります。だからこの作品で、勇気ずけられました。感謝してもしきれないです。 (2020年5月23日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
歌い手の信者 - ごちそうさまでした・・・・・・・。 (2020年5月23日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:落ち葉 | 作成日時:2020年3月29日 10時

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