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浪漫.58 ページ13

ぐすぐす半べそをかいている二人に、「私の事忘れたら許さないから。」なんて笑う。


すると、ふと近くであの空気を感じた。

そうだ。
この時代には彼女がいた。

夜風に髪をなびかせながら、ちょっと名残惜しそうに振り向く。

「梅雨さん。」

弾むような声色で、彼女の名をぽつりと呟いた。



梅「私 Aさんが大好きよ。」

「わたしもです梅雨さん。」

梅「大好きだからこそ、貴方の夢を応援したい。貴方がやりたいというものを止めたくない。」

「…はい。」

梅「…でも、でもねAさん、私は。」

「…っ。」

梅「貴方と…、貴方ともっと一緒にいたいっ…!私を暗闇から救ってくれて、私を面倒扱いしないで、真剣に向き合ってくれた貴方と、…。」

「…私もそう思ってます。だから、一つ提案があるんです。」

梅「提案…?」



梅雨にとって、Aは光だ。

闇ひとつない光。
それを頼りに歩き続けてきた。

しかしその光が消えると、途端に自分はどこに歩いていったらいいのかわからなくなる。


そんな光を、見失わずに済む方法。

少し微笑んで、彼女は言った。


「ここで花を咲かせてください。そして、私を待っていてください。」

「大丈夫、必ず帰ってきます。」


彼女はそういう人だ。

一緒に行こうよでも、
そばにいて欲しいでもない。


待っていて欲しい。


たったそれだけだった。


梅雨は、静かにAの髪に触れ、唇を落とす。
Aの髪が一層艷めく。









梅「待っています。どれだけ経っても、どれだけかかっても。
これはそれまでの、私からの囁かなお守りです。」





それっきり、
梅雨の姿は見えなくなった。


.

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み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - ちょこれーとさん» 私ハピエン厨なくせにそこまでいくのに死ぬほどシリアスにしたい民だから、良ければ付き合ってやってください…最後は幸せにするぞ!!笑 (2019年12月12日 16時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - なんかラストに向けてが切ない… (2019年12月10日 19時) (レス) id: adc186f0a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅーぽむ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月16日 2時

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