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私は守れなかった。
初めて出来た親友を追い詰めてしまった。
「私のせい…ごめんね…いじめられてたんだよね。気づけなくてごめん。」
そう謝った。
謝って何とかなる問題じゃない。
そう分かっていても謝らずにはいられなかった。
“確かにいじめられたよ。でもね、クラスの子だけなら大丈夫だった。”
“でも…。”
その言葉の後、親友は黙り込んでしまった。
先ほどよりも泣いていて電話越しに嗚咽を上げ続けるだけだった
数分後、多少落ち着いた親友はこう言った
“1人にしてごめん。めるちゃん。ごめん。”
その後は何を言っても、うわごとのように返すだけで何も話してくれなかった。
仕方なくその日は
“ いつか、学校以外でも遊ぼうね ”
なんて約束して電話をきった。
この時の私は何故親友が私に泣いて謝ったのか分かっていなかった。
その理由はすぐに知ることになる。
たまたまだった。
本当にたまたま。
一人でいる踊り場が味気なくて教室に帰った。
ただ、それだけ。
教室にいじめっ子の女子数名と担任の教師がいた。
入りにくかった。いじめっ子が居るのに教室に入ろうとは誰だって思わないだろう。
だからと言っていく場所もない。
外や図書室には他の学年の人も多い。
間違いなく、何かしらのことをされるだろう。
仕方なく“虐めっ子が出て行ったら入ろう”と教室のドアの辺りにかがんだ。
昨日の怪我で立っているのもきつかったから。
別に盗み聞きしようとか考えたらわけではない。
ただ聞こえてしまった。
「ねぇ〜先生〜。やっぱり、めるってキモイよね〜」
「恵まれてるくせにさぁ〜“自分、可哀想なんですぅ”って言ってる感じする〜w」
「自分で怪我作るとかカマチョじゃん?w」
恵まれてる?可哀想?何を言ってるの?
それは普通のことでしょ?
そう思った。
(当時の私は虐待のことは普通。イジメは普通ではない。と考えるようになっていた。)
それよりも、
先生はここまで言われて私がイジメられていることに気が付かないのか
そっちが気になった。
「先生〜?ねぇ〜どう思う?」
先生「確かにキモイw」
「あははwだよね!ww」
その瞬間、ストンと胸につかえていた物が落ちた気がした。
あぁ、だからいじめがなくならないのか。
先生も一緒になって虐めてたから
親友の“クラスの子だけなら”の言葉はこう言うことだったんだ と
そう理解した
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萩野千紗 別アカ - めるさん、しんどい時は逃げていいんですよ。世界に一人だけのあなたなんですから。ただ、死なないで下さいね。ここには味方が沢山います。 長文失礼しました。 (9月2日 9時) (レス) @page9 id: 3f29d12f72 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - 完結…? (2022年8月28日 22時) (レス) @page9 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
メア - もうこのお話は更新しないのですか?とても気になります。出来ればでいいのですが更新して下さると嬉しいです。 (2022年5月29日 0時) (レス) id: c274c7e6ff (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - める様のしてくださっていることに感謝しています。逃げることも戦う術、ということを忘れず前に進んでください。長文失礼いたしました。 (2022年5月23日 2時) (レス) id: 00a65b8235 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 所詮、社会的弱者は何もできないんです。そんな中でもめる様のように、周りをもう少し見てあげてほしいという呼びかけをしてくれると救われる方はいると思います。この作品を書いてくださってありがとうございます。少なからず私はめる様の味方ですし (2022年5月23日 2時) (レス) id: 00a65b8235 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:兎森 める | 作成日時:2022年4月9日 23時