矢神と申す ページ3
子1「Aねぇさん！」
学校帰り。
制服で帰宅。
学校でこのことは内緒。
矢神って言ってもいっぱいいるし、
誤魔化すのは簡単。
矢神の人間、しかも跡取りなんてバレたら
ろくな生活送れないんだから。
明るめの女子っていう設定。
A「なに？」
子1「稽古、つけてくださいっ！！」
多分、この人の名前は吉田。
A「はぁ……何人？」
吉田はきっと、他の子分の代表できたんだろうな。
私が何人か聞くときはだいたい稽古をつけるとき。
それをわかってるのかパアッと笑顔になる。
これが矢神のヤクザですよ？
子１「やった！今回は５００人でどうすか？」
A「ん、いいよ。吉田、着替えてくるから
待っといて」
やった、って言っちゃってるし。
この矢神家、銃なんてものはあまり使わない。
一本勝負、木刀か刀か素手。
だいたい、素手。
空手やら柔道、剣道・弓道・合気道・相撲道
をやらされてきたわたし。
3000万の子分のうち５００人なんて片足でも
じゅうぶん。
それくらい、強いの。
子2「はいっ、並べー！！先着だぞぉっ！！
５００人、先着だからなぁ〜っ！！」
先着って…
いつも思うけど、平等に回してけば？
子1「きょーつけっ！！礼っ！！」
『おなしゃぁぁぁぁぁぁすぅぅっっっ！！！！』
A「よろしくお願いします」
うん、ここまでは普段通り。
のはず。
今日の稽古もうまくいった。
結果、５００対１で圧勝。
そのあと、自主練に加えてわたしの指導。
お父さんは稽古の暇ないって。
言わせてもらえは、今はお父さんより強いと思う。
経済の面は、お父さん天才的だけど。
子「Aねぇさん！ここ、おなしゃす！」
A「川岸はムダが多い。感覚で動くこと、
感じること。これ大事。メモっとけ！！」
子「はいっ！！メモしまぁぁぁすっ！！」
A「あっ、ちょ…」
冗談、なんだけどなぁ。
こんな冗談、嵐の前の静けさ。
嵐はそう、もうすぐやってくる。
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作者名：苺パンダ | 作成日時：2019年2月18日 0時
