第6話 ページ7
「此方が依頼人の御自宅ですか？」
「あぁ、間違いないよ。」
太宰治とAはとある一軒家の前にいた。
焦げ茶色の洒落た少々大きめな一軒家からしてそれなりに潤沢した資金を持っているのであろう。
Aはドアの右隣にあるインターホンを押した。
「はーい。」
ガチャリと音をたててドアが開く。
出てきたのは黒髪に少々白髪の混じった中年の男性だった。
「依頼人の佐藤祐作様でよろしいでしょうか？｣
「あ、あぁ。貴方達は？」
「大変お待たせ致しました。
私は武装探偵社社員
月嶋Aです。」
「同じく武装探偵社社員
太宰治です。」
二人は軽く自己紹介をした後佐藤祐作にぺこりと礼をした。
「ご依頼のお嬢様の行方が分かりましたのでその報告に参りました。」
Aのその言葉を聞いた瞬間佐藤祐作は目を大きく見開いてAの肩を掴んだ。
「娘はっ！！娘は無事なんですか！？」
「落ち着いてください。
ここでお話するのもなんです。
失礼ですが御自宅にあがらせて頂いても？」
太宰治は掴みかかっている佐藤祐作とAの間に入りそう言った。
「あ、はい。どうぞ。｣
佐藤祐作は太宰治の言葉で我に返ったのかドアを開け二人を中に入れた。
「どうぞ。」
佐藤祐作はソファーに座っている二人の前のテーブルに紅茶を置いた。
「お気遣い痛み入ります。」
Aはそう言ってぺこりと礼をする。
「さて、単刀直入にお伝えします。
残念ながら娘さんは既にお亡くなりになられていました。｣
太宰治は何の躊躇いもなく佐藤祐作にそう告げた。
「は･･･？」
サァーと血の気が引き顔色が悪くなる佐藤祐作。
信じられない。嘘だ。
何かの間違いだ。
佐藤祐作の表情はそう物語っていた。
「嘘だっ！！だって、だって娘はっいなくなる三日前、凄く元気だったんですよ！？」
「真実です。」
太宰治は光のない目でそう告げる。
「誰に、殺されたんですか！？」
「他殺ではありません。病死です。」
「びょ･･･うし？」
佐藤祐作の頬を汗が伝う。
目から涙が溢れた。
「私はっ･･･実の娘の病にも気づけなかった･･･。」
ポタリ、ポタリとフローリングに彼の涙が落ちる。
Aはそんな彼に封筒を渡した。
「これは･･･？」
「誕生日プレゼントです。お嬢様からの。」
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作者名：かきのすけ | 作成日時：2018年8月4日 4時
