Prolog ページ2
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時はまさかに魔法が全てと言われているこの世界
みなが当たり前のように魔法を使い、当たり前のように魔法が日常にあった
魔法は神から与えられたものとされ、魔法の巧拙によって身分が決まるそんな世界
そんなこの世界で、ある一人の少女が街中で嘆いていた
『ええええ!!限定シュー売り切れですか!?』
「ごめんねー
ついさっき買っていった人で最後だったんだ」
『会議サボって来たのにぃぃ!』
この嘆いている女こそ、この国の最高法定機関である魔法局の中枢を担っている神覚者なのだ
『…じゃあ、このチョコチョコまみれクッキーと森サソリクッキーとウルフとハーブのクッキーを100個ずつ下さい』
「ぇ、100個…ずつ…?」
『はい、みんなに配るんです』
もう一度言う
この女こそ、神に選ばれた者として崇められた神覚者なのだ
『次は、朝一から並ぶとしよう…』
「何この人、怖い」
ゴブリンシュークリーム食べたかったなぁ…なんて呟くも、周りからは変な目を向けられていることに気付かない女であった
そんな彼女の肩を叩くものが1人いた
「あの…良かったら1ついりますか?」
『ん?』
「買いすぎたかなって思って」
それはシュークリームを頬張っているアザのない少年だった
魔法が全てのこの世界で、アザの本数はその時点での魔力量を表しており、アザがないとはつまり魔法が使えないということ
そんな奴は、この世界では必要とされず存在が知られた時点で国に追われる覚悟を持った方がいいとされている
だが、この少年こそがこの物語の主人公なのだ
そして、その少年の目の前にいるのは魔法局の中でも犯罪を多く取り締まっている女だ
見つかったらただでは、済まないはずだが…
『え!いいの!?』
「はい、どうぞ」
『わぁ!君、いい子だね!
おじさん、この子にマンドラゴラのクッキー20枚あげて!』
「ぇ、そんな…悪いです…」
だが、今の彼女の目にはゴブリンシューと沢山のクッキーしか写ってなかった
そして、更に追加されたクッキーの数を聞いて青ざめる店主であった
『むむ…そろそろレインが私の事を探しにきそうな予感がするな…
君!本当にありがとう!
じゃあ!!!』
そう言って風のように去っていく彼女の背中を見つめている彼の手には、マンドラゴラのクッキーが残っていた
「ぁ…うさぎ…」
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デンプン。(プロフ) - 睡眠不足さん» 睡眠不足様 コメントありがとうございます! 更新頑張りますね! (3月23日 17時) (レス) id: 3b740f393c (このIDを非表示/違反報告)
睡眠不足 - 続き待ってます! (3月23日 15時) (レス) @page10 id: 6f6c8bad7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:デンプン。 | 作成日時:2024年3月18日 15時