双黒のお母さんやってます『小学校編』【文スト・双黒】

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入学式が終わって数日が経ったある日。



息子達が帰ってきてから私にこう言った。





「ラブレター…」 「貰ってきた」





恐れていた出来事だ。




うちの息子達が…女子に奪い合いされるなんてっ！！






『な、中身読んだの？』





まずは中身の内容で決まるよね。



治がランドセルから白い紙を取り出す。

中也はすでに持っていた。





「好きです。しか書いてなかった」




「はっ！俺はかっこいいとも書いてあったぜ！」




チラッと覗くと、上手いとは言えない字でデカデカと書かれていた。


今の小学生って凄いね…



少なくとも、私が生きてきた限りではラブレターなんて見たことなかったよ




『返事、ちゃんと返してあげなよ？』





「「もちろん断る」」







おい！しっかり考えろ！！
女子が可哀想でしょ！？




『そんな事言わないの！ちゃんと考えなさい！！』




2人のおデコにデコピンをくらわす。

あでっと可愛い声が聞こえた。





「だってぇ…母さんさえいればいいもん」




目を逸らした治。
ズキューンと矢が刺さる。




「母さん以外眼中にねぇよ」





無邪気に笑う中也。
これまたズキューンと矢が刺さる。





ダメよ私！しっかりしなさい！！
女子の気持ちを考えてあげて？きっと悲しむでしょう。そう、ちゃんとした答えを……





「母さん。僕、母さんが好きなんだ」





「俺も俺も！俺も母さん大好きだぜ！！」





……あ、やべぇ






『もぉう…絶対にその子達傷つけちゃダメだからね？』






私の心はこんなにも脆かったのか……

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