虎が残した傷痕５【文スト】 (ページ38)

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２３７．ページ38

敦「は…放してください、太宰さん！」

『……；』

太「駄ぁー目♡」

Aは太宰の掴む敦ともう一人の人物を見て顔を引きつらせている。

太「放したら君達異能で喧嘩するでしょ？」

敦「いや、でも……！」

太「余り暴れないでくれ給え。私のお腹の傷口が開く」

敦「・・・

でも、社長の命が懸かった逆襲作戦に何故芥川を……！？」

そう、先程現れた助っ人とは、芥川のことだったのだ。

太「それが私の作戦だからさ。君達二人で敵潜窟に潜ってもらう」

敦「え！？」

太「敵の潜窟は旧い炭鉱跡の中にある。

全長数百㎞。内部は侵入対策の感知器や罠で山盛りの筈だ。

最優先の捕縛目標はウイルス異能者。奴の異能を無効化しなければ社長達が死ぬからね。

第二に頭目のドストエフスキーだ」

敦「そんな重要な作戦なら尚更……

第一、芥川の僕への憎悪は尋常じゃありません！作戦が成立する訳が」

太「だそうだけど、如何だい？」

芥「作戦を、遂行します」

敦「(……！何だこの集中力…！？)」

太「私の直轄麾下は四年ぶりだねぇ。

少しは出来る様になった処を見せてもらおうかな」

芥「はい」

敦「あ…芥川？お前、芥川だよな？」

芥「あぁ」

敦「僕と協力して闘う気か？」

芥「あぁ」

敦「昨日の晩飯何だった？」

芥「あぁ」

敦「……」

『だ、太宰さん；本当に大丈夫なんですか？；不安しかないんですけど……』

太「大丈夫だよ。私の考えに間違いはない」

『そうなればいいんですが……』