142.番外編 ページ43
太宰はAの腕を引っ張りながらどんどん進んでいく。
『太宰さん?こっちは祭りの会場じゃ……』
太宰はAの言葉に返答しない。
先程から感じるこの殺気。これは確実に太宰から出ているものだった。
そしてようやく太宰が足を止めたかと思うと、そこは人が全くいないどこかの神社だった。
『ここは……?』
太「Aちゃん」
太宰のいつもより低めの声に肩がビクッと跳ねる。
太「どうして敵である中也と一緒にいたんだい?
少し警戒心が足りないんじゃないのかな」
『中也さん、今日は休みだから何もしないって云って「中也さん?」……っ!』
太「へぇ、知らないうちにそんなに仲良くなっていたのだね君達」
『や、あの、これは、あの人がそう呼べって……』
太「お揃いのお面なんか買っちゃって。何?もしかして中也のこと好きにでもなっちゃった?」
『なっ!そんなわけないでしょう!仮にもあの人は敵ですし』
太「向こうはまんざらでもないようだったけど?
二人であんな場所で、一体何をしていたのだい?答えによっては、何をするかわからないよ?」
Aは今までに見たことのない太宰に、涙目になっている。
『太宰さんだってっ……』
太「?」
『太宰さんだって、他の女性と楽しんでいたじゃないですか。貴方に私を責める権利があると思っていますか?』
太「っ!」
『私は中也さんとは何もしていません。確かに少し楽しかったですが、あくまであの人は敵。それに私には太宰さんがいるのに、他の男性とそのようなことするはずがないじゃないですか。
まぁ、貴方は違うようですが』
Aの言葉に太宰は唖然としていた。
太「……そうかい……それが君の答えなのだね」
太宰は冷たく言い放った。
『私は貴方を信じていたのに、貴方は信じてくれないのですね。
もういいです。先に帰らせて貰います』
Aはそういうと、神社の階段を降り帰っていってしまった。
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華鈴 - 初めまして!題名に惹かれてやってきました!最初から見ましてけど、内容が分かりやすくて、読みやすいです(*`д´)b OK!頑張って下さい(。-`ω´-)ぅぃ (2018年8月10日 10時) (レス) id: c313831c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月9日 14時