141.番外編 ページ42
丘に辿り着くと、そこには意外にも人は誰もおらず、静かだった。
『誰もいませんね』
中「ここは会場から少し離れてるから、知らないんだろうな」
『良い場所ですね、ここ』
中「だろ。ま、特別に教えてやったんだからな、感謝しろよ」
『そこ威張るとこですか?』
Aはフフ、と笑った。
中「……さっきから思ってたけどよ、手前、その浴衣結構似合ってるじゃねえか」
『え?』
中「敵ながら、そのセンスの良さは評価してやるよ」
『……何様ですか』
Aは少し嬉しそうな顔になり、中也から目を逸らした。
中「なァ」
『はい?』
中「手前、本当に俺らンとこに来る気はねえのか?」
『無論ですね。私の居場所は探偵社だけです。
貴方方にいくら狙われようが、私は決して折れたりしませんよ』
中「フッ、それでこそだな。今日が終われば、またいつもみてえに手前を攫いに行ってやるよ」
『フフ、望むところです』
その時だった。後ろから気配がし、中也とAはバッと後ろを振り向く。
太「ようやく見つけたよAちゃん。会場からこんな離れた場所にいるだなんて、全く困った子だね」
『太宰さん……』
中「チッ、手前、女と一緒にいただろうが」
太「あれ、君いたの?小さすぎて見えなかったよ」
中「あぁ!?喧嘩売ってんのか!」
太「まさか、そちらさんは今日は休みでしょう?休みの日にまで戦うつもりかい?」
中「手前がその気ならここで殺してやってもいいがァ?」
太「……兎に角、Aちゃんは連れて帰るからね」
中「好きにしやがれ。次会うときは今度こそ敵だからな」
『わかっていますよ、もちろん』
太「……行くよ」
Aは太宰につれて行かれ、中也とはその場で別れた。
中「……殺気ダダ漏れなんだよ、クソ鯖が」
中也は一人丘の上でタバコを吸いながら笑っていた。
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華鈴 - 初めまして!題名に惹かれてやってきました!最初から見ましてけど、内容が分かりやすくて、読みやすいです(*`д´)b OK!頑張って下さい(。-`ω´-)ぅぃ (2018年8月10日 10時) (レス) id: c313831c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月9日 14時