133. ページ34
敦が去った後、Aは足を引きずっていこうとした。
『チッ、このドレス動きにくいな……よし』
Aはドレスの裾を掴むと、それをビリビリに引き裂いていく。
あっという間に、ふわっとしたプリンセスドレスは、動きやすい、ハイ&ロードレスに変化する。
腕の袖も凡て破り棄てる。綺麗に纏められた髪を解くと、綺麗な黒髪が風になびく。
『こっちの方が、私らしい』
Aはそう云うと、道を進んでいく。
道中、見たこともないオブジェがいくつも飾られており、Aはその異様に可愛らしい置物を見て首を捻らせた。
『まさかね……』
そのまま進んでいくと、Qの異能にやられた人達がAに襲いかかろうとする。
『足が使えなくとも、頭と腕があればいける!』
Aは片足で飛び跳ね、操られた一般人を次々に気絶させていく。
『はぁはぁはぁ……数が多すぎるっ』
操られた人々が次々に集まってくる。
『ここまで、か……最後に太宰さんに、会いたかったな……』
Aはそこで目を閉じ、一筋の涙を流し凡てを諦めた。
しかしその瞬間、操られていた人々が動きをとめた。
『え……?動きが止まった?』
その瞬間、街中に配置されているオブジェが作動し、横浜一帯を煙で包んだ。
『この煙は……飽和煙?』
?「そうだよ」
Aはその声を聞いた途端、目を開いた。ずっと聞きたかった声、それは愛して止まない人の声だった。
Aは後ろを振り向き、誰かと確認する前にはもうその人物に抱きついていた。
『来るのが遅いんですよ……太宰さんっ』
太「フフ、待たせたようだね、お姫様。もう安心だよ。この戦いは、敦君が勝った」
『信じてました……敦が必ず貴方に届けると』
太「私も信じていたよ。君達が必ず戻ってくることをね」
太宰とAの唇が重なる。長く、二人の愛を確かめ合うかのように。
太「『愛してる/ます』」
115人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華鈴 - 初めまして!題名に惹かれてやってきました!最初から見ましてけど、内容が分かりやすくて、読みやすいです(*`д´)b OK!頑張って下さい(。-`ω´-)ぅぃ (2018年8月10日 10時) (レス) id: c313831c97 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月9日 14時