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探偵社を出たAは、川の近くを歩いていた。
先程、紅葉に云われた言葉を思い出す。
(紅「お主を守る為なのじゃ」)
『はぁ……どうすれば……ん?』
Aは少し歩いた先で、壁が破損しているのを見つけた。
何かを強くぶつけたようで、煉瓦の壁が凹んでいる。
壁に近づくと、少しながら血がついていることに気がついた。
Aは厭な予感がし、振り返ろうとしたとき________
フ「やぁ、お元気かな。レディ?」
『っ!?』
Aのすぐ後ろに立っていたのは、組合の長、フランシスだった。
咄嗟にフランシスと距離をとる。
フ「虎の少年に続いて、君にまで会えるなんて、私はつくづく運の良い男だ。そう思わんかね?」
『……敦に会った…ですって?まさかっ……』
フ「あの少年には逃げられたよ。少女に助けられてね」
Aが咄嗟に思い浮かんだのは、行方不明だった鏡花だ。
フ「それにしても何と野蛮な街なんだ。あんなに幼い少女が悠然と刃物を人に斬りつけるだなんて」
よく見れば、フランシスの首元には微かに赤の線が入っている。
フ「まあいい。どうせ虎の少年は捕まる運命。姉弟は一緒の方がいいだろう。一緒に連れていってあげよう」
フランシスが近づいてきた瞬間、Aはフランシスの不意をつき背後に回る。
フ「なっ!」
そしてそのままフランシスを回し蹴りするが、フランシスはびくともしない。それどころか、Aの足を片手で受け止めていた。
『効いていないっ』
フ「こらこら、レディがはしたない。あまり君の美しい容貌を崩したくはないのだが、仕方がない」
『っ!ああああぁぁぁぁ!』
フランシスはそのままAの細く繊細な足を、反対方向に折り曲げた。
激痛に立っていられなくなったAは、その場で倒れ込む。
『うっ……だれ、か……』
助けて_________そう叫んでも誰も来てくれないことは判っていた。
フ「さあ、一緒に来て貰おうか」
Aはそのまま、痛みで止まらない涙を流しながら、抵抗も出来ずにフランシスにつれていかれてしまった。
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華鈴 - 初めまして!題名に惹かれてやってきました!最初から見ましてけど、内容が分かりやすくて、読みやすいです(*`д´)b OK!頑張って下さい(。-`ω´-)ぅぃ (2018年8月10日 10時) (レス) id: c313831c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月9日 14時