検索窓
今日:5 hit、昨日:7 hit、合計:95,294 hit

111. ページ12

事務所に戻ったAと敦は、気を紛らわすためにも仕事を片付けていた。



夕方になり、国木田のところに電話が入る。



国「はい、国木田です。……社長?



あぁ、会社設立前に社長が拠点にしていたという、晩香堂ですか?



ん?社長?どうされました?……社長?」



国木田は社長と連絡が途絶えたのか、受話器に電話を戻し仕事に戻る。



Aは特に気にした様子もなく残る仕事を片付ける。



敦「どうしたんです?」



国「社長との通話が……敵襲か?」



『可能性はありますね、今は特に狙われやすいですし』



敦「え?なら早く応援にっ」



国「社長は大丈夫、それより……」



敦「なんで判るんです、そんなこと!?」



国「はぁ……俺の手を掴んでみろ」



敦「え?」



国「すぐわかる」



敦が国木田の手を掴んだ瞬間、そのまま敦は背中からひっくりかえされ床に転がった。



『あらら』



国「師匠から最初に教わった技だ」



敦は何が起きたのか判らず、目をぱちくりさせている。



国「俺は未だに師匠から一本も取れん。



十把一絡げの死角に、あの人が負けるはずがない」



敦「……よくわかりました」



『国木田さん、旧晩香堂に移動する準備を』



国「あぁそうだな、敦、お前も手伝え」



敦「あ、はい」



『私は太宰さんに伝えてきますね』



Aは医務室に向かうと、丁度太宰が医務室から出てきたところだった。



『あ、太宰さん、今呼びに行こうと思ってました



拠点を変えようと思うので、その準備をお願いします』



太「うん、了解。それより、久々にちゃんと仕事をしたから疲れたよ〜



帰ったらちゃんと癒やしてね」



『だったらちゃんと準備を済ませてくださいよ』



太「フフ、仰せの通りに、お姫様」



太宰はAの手の甲に接吻を落とし、準備にとりかかった。



『もう……いつまでも翻弄されっぱなしじゃないんですからね!』



Aは少しムスッとして自分の準備も始めた。

112.→←110.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
115人がお気に入り
設定タグ:文スト , 中島敦 , 太宰治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

華鈴 - 初めまして!題名に惹かれてやってきました!最初から見ましてけど、内容が分かりやすくて、読みやすいです(*`д´)b OK!頑張って下さい(。-`ω´-)ぅぃ (2018年8月10日 10時) (レス) id: c313831c97 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月9日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。