鬼の秘書〜番外編〜【文スト】

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漸く人も減ってきてAと中也の順番が回ってきた。








『ねぇ中也、私初詣って初めてだから何をしたらいいのか知らないのだけど……』









中「珍しいな。てっきり知ってるもんだと思ってたぜ」









Aは博識で、太宰ほどではないが頭がよく回る。そんな彼女でも知らないことがあることに中也は少し驚いた。だがそれと同時に、可愛いなと思うところもあった。









中「まず賽銭をあの箱に入れろ」









『賽銭？お金のこと？』









中「あぁ、いくらでも構わねえぜ」








『へぇ〜』








そう云ってAが取り出してきたのは、万札だった。









中「ちょっと待てー！！」








すかさず中也が止めに入る。








『え？何か間違えた？』








中「いや、間違ってはねぇけど、大体賽銭っつったら小銭って決まってんだよ。







ほら、五円やるからそれいれろ」









Aは中也からもらった五円玉を賽銭箱に入れた。









中「そしたら次はこの縄を持って鈴を鳴らした後、二礼二拍手一礼だ。あ、お願い事は忘れんなよ」








中也の云うとおりに鈴を鳴らし、願い事をするA。









二人とも願い事が済んだ後、列から抜けていった。









中「ま、こんな感じだな。覚えたか？」








『ちゃんと手順があるのね。ありがとう中也教えてくれて』








中也は得意げな顔をして笑った。

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