９． ページ10
山奥の神社。そこでAは木の上で酒を飲んでいた。
盃に入った酒が風で揺れている。
すると、神社の境内に人間の気配がし見てみると、いかにも盗賊のような輩の姿があった。
「おい、ここにお宝が眠ってるって噂、本当に信じていいのかよ」
「ものは試しだ。ほら捜せ！」
盗賊達は神社の中へずかずかと入ってくる。
その時、心地の良い、だがどこか禍々しい笛の音色が神社に鳴り響いた。
「なんだ？笛？」
「うわああぁぁぁ！く、くるなぁ！！」
突然盗賊団の一人が叫び出し、何かに怯えている。しかし男の目の先には何もない。
「や、やめてくれえええぇぇ！」
「来るんじゃねぇ！！」
次々と盗賊団は訳も分らず悲鳴をあげながら逃げ出していく。
そして神社には人は誰一人いなくなった。
神社の屋根の上にはAが横笛を奏でながら男達が無様に逃げ去っていく姿を見下ろしていた。
『奪うことでしか生きる術を見いだせない愚かな人間よ……
それもまた人間の性、そして業。それもまた愛しく思いけり……』
静かに呟いた口からは吸い込んだ煙管の煙が吐き出される。
『……後少し。運命の時はすぐ目の前に＿＿＿＿＿＿』
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長い夜の紅茶 - 面白かったです次の更新を楽しみにしています.応援しています！ (2018年10月20日 16時) (
レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫陽花
| 作成日時：2018年10月19日 17時
