6. ページ7
『我が名は、三島A。
ここに住んでいる者だ』
太「それはまた随分と湿った場所に住んでいるものだ」
鏡「危ないってどういうこと?」
『この時間帯、山には沢山の獣がおる。
ここいらは動物たちの餌の宝庫。今お前達が山を下ると、熊に遭遇するだろう』
敦「や、野生の熊ですか!?」
太「それはいい!獣に喰い殺される最期も良いと思っていたことだし」
『死にたいのなら勝手にせい。我は命を粗末にする人間は好かん。
早々に立ち去れ』
Aの冷たく放たれた言葉に敦と鏡花は身震いした。
太「おやおや、私も随分と嫌われているようだねぇ」
敦「で、でも、今降りたら危ないんですよね?
どうしたら……」
『案ずるな人の子よ。ここいらの動物たちは皆賢い。
いなくなる時間があるでの、その時我が麓まで案内してやろう』
敦「本当ですか!ありがとうございます!」
鏡「ありがとうございます」
『良い。久々の訪問者だ。茶も出せずにすまんの』
敦「いえいえ!お気遣いなく!」
その時Aの足下に小さな野ウサギが一匹やってきた。
鏡「兎……」
『そこの娘は兎が好きなのか?』
Aは兎を抱き上げ鏡花に渡した。
『落とすでないぞ』
鏡花は兎を抱っこして目を輝かせている。
鏡「可愛い……」
『ここには餌を求めてやってくる動物たちが沢山おるからの。
ほれ、あそこにも』
草むらから顔を出しているのは狸や狐、リスや野良猫もいた。
鏡花はさらに目を輝かせていた。
太「へぇ、こんな一カ所にこれだけ集まるなんてね」
『黙れ唐変木。貴様はさっさと帰れ』
太「え!私だけすごい辛辣!?」
95人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
長い夜の紅茶 - 面白かったです次の更新を楽しみにしています.応援しています! (2018年10月20日 16時) (レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年10月19日 17時