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頂上へと昇っていく敦達。黒い霧は頂上へ近づくにつれ段々と濃さが増している。
しかし、不思議と自分たちの姿ははっきりと認識できた。
そしてもう一つ不思議な事がある。
辺りは真っ暗で何も見えない筈なのに、何故か頂上への道を迷うことなく進めているのだ。
まるで、何かに導かれるように脚が自然と進んでいくような感覚がした。
そして、一番前を歩いていた中也がふと脚を止めた。
中「……ここだ」
中也の目線の先を見れば、そこには黒く禍々しく蠢いている何かがあった。
太「恐らく、アレがこの霧の発生源のようだね。
見給え、周りの木々が全て枯れている」
辺りを見渡すと、慥かに木や草花が全て枯れていた。まるでそこだけが焼き払われたかのようだった。
敦「これも全てあの霧の仕業なんでしょうか……」
その時、目の前を蠢いていた黒い塊が激しく動き出した。
敦「な、なんだっ」
鏡「変形してる……」
黒い物体は次第に見覚えのあるある生物の姿へ変わった。
敦達の目の前に現れたのは、黒い鱗に赤かがちのような目をした頭が三つに分かれている大蛇だった。
それはさながら、昔の神話上の怪物、「八岐大蛇」を連想させられるものだった。
中「おいおい、こりゃまた随分とどでかい蛇だなぁ」
太「それが恐らく、この霧の真の姿なのだろうね」
敦「これを倒せば、この霧は消えるんですよね?」
太「如何だろうね。けど、そう信じてやってみるしかない。
準備は出来ているかい?中也」
中「誰にものを云ってやがんだ。
さっさと終わらせるぞ」
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長い夜の紅茶 - 面白かったです次の更新を楽しみにしています.応援しています! (2018年10月20日 16時) (レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年10月19日 17時