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太宰がAを抱えていると、ふとAが目を覚ましたのか動き出した。
『ッ……』
敦「Aさん!」
Aが目を開くと、敦はほっとしたような表情になった。
しかし、安心したのも束の間、Aは敦達と突然距離を取ってどこか怯えていた。
敦「Aさん……?」
『今の我に近づくでない……』
敦「え……?で、でも早くここを離れないと!」
『もう遅い。この横浜は直に黒い霧で覆われる。
終わりだ。何もかもな』
Aの真っ赤に光る瞳からは絶望の色が伺えた。
太「説明してくれないかな。君は、この黒い霧の正体を知っているね?」
Aはしばらく黙った後、ゆっくりと口を開いた。
『……この霧は、4000千年溜め続けてきた邪のエネルギー。
これの封印が解かれ、今まさに横浜の地を侵食し始めている。
山の頂上のアレが見えるか?』
敦達が上を見ると、今まで気付かなかったが、そこには確かに人間ならざる巨大な”何かが”存在していた。
『アレはこの霧が形となってできた、所謂化け物だ。
あれを倒す方法は最早存在しない。それこそ、神の力でも無い限りな』
Aは全てを諦めたような口調で言い、その場に座り込んだ。
鏡「この霧が街全体を包み込んでしまったらどうなるの?」
『不幸と災いに包み込まれ、人間は殺し合いを始め、街には混沌が訪れ、やがて街は荒廃し、最後は人も何もかもが消えてなくなる______』
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長い夜の紅茶 - 面白かったです次の更新を楽しみにしています.応援しています! (2018年10月20日 16時) (レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年10月19日 17時