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13. ページ14

日本に向かう一隻の船の中、そこでAとフョードルは札遊戯(ポーカー)をしていた。





フョ「スペードのストレートフラッシュ、ぼくの勝ちみたいですね」





Aはつまらなさそうに(カード)を卓上に投げ捨てる。





『この手の遊戯はつまらないわ。まだ着かないの?』





机に置いてあった飲みかけの紅茶を手に問いかける。





フョ「もう間もなくですよ。久々の日本は楽しみですか?」





『別に……特に思い入れはないわよ、あんな土地』





フョ「だと思いました」





フョードルは指をガジガジと噛む。





その噛み癖の所為で、フョードルの細長い指は荒れていた。





『……その癖、治らないの?』





フョ「癖は癖です。簡単に治るモノではありませんよ」





折角、綺麗な手をしているのに_____と呟けば、フョードルは一瞬目を見開く。





フョ「……手袋でもしましょうかね」





フョードルは微笑みながら呟いた。





汽笛が鳴り響き、窓の外を見ると横浜の地はすぐそこまできていた。





フョ「ようやくですか」





『できることなら、未だこのつまらない時間を堪能していたかったわ』





そう云って船から降りる準備をするため立ち上がる。





『これから始まる遊戯は、楽しめるといいのだけど』





そう云ったAの表情は、どこか憂いを帯びていた。

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猫好き - ドス君最高!!やっぱり最高( ̄▽ ̄)bグッ (2019年1月10日 1時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ - ん〜地方にもよるかも知れませんが、ロシアンティーはジャムを舐めながら、お茶を飲むのが一般的ですよ。 (2018年9月17日 2時) (レス) id: dd9eae3b3c (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - ほるむさん» 構いませんよ!楽しみにしています! (2018年8月31日 8時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
ほるむ(プロフ) - 紫陽花さん» はい、ありがたき幸せです!外見はできるだけ設定に沿わせたいのですが、大した画力がないので保証は出来なくなってしまいますがお許しください…。 (2018年8月31日 8時) (レス) id: e99fd65880 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - ほるむさん» ありがとうございます!お願いしてもよろしいでしょうか? (2018年8月31日 7時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月23日 18時

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