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敦が落ちた場所は、ここから案外近かった。



川の下流へと下っていくと、そこに一人の少女と横たわる敦がいた。



『敦君!』



Aが急いで敦に駆け寄ろうとすると、少女が驚いた顔でこちらを見た。



『貴方が、ポートマフィアの人間ね』



少女は黙って頷いた。



『名前は?』



鏡「私の名は、鏡花。六ヶ月で35人殺した」



『そう……』



鏡「でも……もう一人だって、殺したくない」



『そっか』



Aは鏡花の頭を優しく撫でてやった。



鏡花は驚いた顔をしたが、安心したように眠ってしまった。



『あー、二人を抱えて行かなきゃだめか……』



Aが敦を担ごうとしたとき、敦が目を覚ました。



敦「ん……姉さん……?」



『!』



Aは驚いて敦を見ると、敦は寝ぼけている様子で、Aをはっきり見たとき、敦はハッとした顔になった。



敦「Aさん!?どうしてここに」



『あ、いや。与謝野先生に敦君とこの子の回収を頼まれてね』



敦「そ、そうですか……」



敦とAの間に沈黙が流れる。



『ところでさ、敦君。敦君はもしお姉さんに会えたら、どうするの?』



敦「え?……姉にもう一度会えるなら


……一緒に、茶漬けが食べたいです」



Aはその応えに目を丸くした。そして______



『……フッ、フフフ』



敦「お、おかしいですか?」



『フフ、いいえ。何でもないの……そっか。きっと叶うといいね』



敦「はい!」



『じゃあこの子、探偵社まで連れて帰ろうか。怪我もしてるみたいだし』



敦「あ、僕が抱えますよ」



『怪我してるんだから無理しないの、ほら、行くよ』



(敦!ほら、行こう!)



敦「!……はい!」

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東湖(プロフ) - 太宰さんの、汚すのは私の役目だってやばいですね!! (2020年1月5日 21時) (レス) id: 5739d3a9ab (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - 闇雲?瑠璃さん» ありがとうございます!これからも頑張って更新しますので応援よろしくお願いします! (2018年10月26日 22時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
闇雲?瑠璃(プロフ) - 紫陽花さん» 全然オ−ケ−です!感激して頂いて感激です(*´▽`*) (2018年10月26日 21時) (レス) id: 92f83285a3 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - 闇雲?瑠璃さん» 予想以上で感激です!素敵な絵絵をありがとうございました!こちらは作品内での公開はOKでしょうか? (2018年10月26日 21時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
闇雲?瑠璃(プロフ) - 紫陽花さん» できましたURLはこちらから(image:http://uranai.nosv.org/uploader/common/1/3/5/1358575d54ad009832c2dda94fa8d63c.jpg) (2018年10月26日 17時) (レス) id: 92f83285a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月2日 22時

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