鬼の秘書〜黒の時代〜【文スト】

１８． ページ18

あの後、数時間もしないうちに太宰から連絡があった。







織田作が安吾の捜索途中、狙撃されたらしい。








狙撃した犯人は、”ミミック”と名乗ったらしく、その後間もなく始末されたようだ。








そしてそのミミックのエンブレムである灰色の旧式拳銃が、安吾の部屋で見つかったとのこと。








ミミックはその拳銃を奪うため織田作を狙ったと推測される。








そんな報告があった次の日、Aは太宰に連れられ小さな洋食屋に来ていた。








この店は織田作が贔屓にしている店で、この店の二階には織田作が扶養している孤児達がいる。








中に入ると黄色いエプロンを着た店主が居た。








「いらっしゃい。何にする？」








太「織田作と同じもので。Aもそれでいいよね？」








『何でも構わないけど』







「織田作ちゃんと同じやつね」








二階では、子供達が暴れているのか一階の店まで響いている。








『元気な子供達ですね』








「小型ギャングさ。五人だからまだ何とかなってるけど、もう五人増えたら国際協力銀行の襲撃だってできそうだね」








『将来有望ですね』








Aはお冷やを飲みながらそう云った。








「はいお待ち」








Aと太宰の目の前に置かれたのは至ってシンプルなカレーライスだった。

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