【イナGO】魔法の国のドラゴンの少女

§魔法7§　蘭丸side ページ8

アイツが「破滅のシンフォニー！！」と呪文を唱えると羽と尻尾が黒く染まった。波紋は周りにいた大人たちに伝わりバタバタと倒れていく。そしてそこに現れたのは、幼い頃の俺だった。


「父さん！！母さん！！」


幼い頃の俺は倒れた父さんと母さんにかけより、揺さぶっている。そして俺はアイツに怒鳴った。


「お前が父さんや母さんを殺したのか？」


『…』


「返事しろよ！！」


そう言って、アイツの肩を揺さぶると、力なく幼い頃の俺の方に倒れてきた。黒かった羽や尻尾が白くなっていく。


「な、何なんだよ！お前！」


幼い頃の俺は怖くなって、家に帰った。









「…の…きりの！」


誰かが俺の名前を呼んでいたので、目を覚ますと、うっすら涙を浮かべた神童の顔があった。相変わらず泣き虫なやつだと思う。


「今、何時間目だ？」


「もう授業は終わって、放課後だ。」


俺ってばそんなに寝ていたらしい。神童は俺が起きて安心したのか、泣き始めてしまった。


「うぅ、もう、おきな、いのかと…」


「おい、神童！お前男だろ？メソメソすんな！」


俺がそう言うと神童は「あぁ、ありがとう。」と言って、涙を拭いた。


もうこんな時間だし帰ろうと思い、ベットから降りてガラッと保健室のドアを開けると、そこにはアイツが悲しそうな顔をして、ドアの前に立っていた。

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