191，神様に近づく人 ページ49
「ここにおるよぉ」
いつも通りのゆるりとした声、聞いているだけで眠くなる優しい声。それが頭の上から聞こえた
広い部屋をふわふわと漂いながらゆっくりと私の目の前に足をつけた
「しんぺい神、言われた通り来たよ」
「うんうん、いい子やねぇ」
「いい子って…子供じゃないんだから」
「ボクから見たら皆子供みたいなものだよ？ね？愛し子ちゃん」
慈愛の眼差し、そして優しく包容される。すると隣からロボロがまた強く抱き締めてきた
「A、頑張ってな…俺らにはもうどうしよもできひんねん。刻まれた術式は消えない。でもAに不幸になって欲しくないねん」
「どうしたのロボロ？なんか、変だよ？」
ロボロは私の腰を強く抱き締めたまま黙ってしまう、神とロボロの手が私から離れると次は兄さんまでも私を強く抱き締めた
「ちょっ！？苦しい！」
「せやな、苦しいな…アンタが背負う痛みは何よりも苦しいな…でも。もう無理やねん…あんとき約束したやろ？もう、戻れないんや」
そういうと、兄さんも私から離れていった
まるで今生の別れのように悲観的な表情を浮かべる二人とは別に、しんぺい神だけが笑顔のまま話しかけてくる
「大丈夫、Aちゃんなら魂の不幸に惑わされたとしてもきっと直ぐにそれを封じ込めてくれるやろ？旧政府の陰謀に気づけんかった俺らのミスでこんなん任せるの嫌やけど。世界の為にAちゃんを殺すのはもっと嫌やから。それに…誰かを手にかけるのなんて。できない」
しんぺい神がそう告げると、突然足から力が抜けた、ガクンとその場に膝をついてしまう
何か真剣に話しかけられていたようだけど私は途中から殆ど理解ができなくなっていた
耳元に沢山響く声が、神様の声を聞こえないようにしてきたから
「Aちゃん、ごめんな…でも、きっと直ぐに慣れるから」
瞬間、足元に刻まれた術式が白く発光した。
ロボロと兄さんが目を反らして私をみてくれない、唇を噛んで悔しそうに苦しそうにする表情だけがみえた、神様だけはずっと笑顔で
泣きそうな笑顔で私を見つめていた
体が熱い、室内なのに凄い風で息をするのがつらい、足が言うことを聞かないどころかどんどん体が言うことを効かなくなっていく。
何より、耳に響く怨みの籠った声達が
死にたくなかった、殺されたくなかったと
ここから出せ、ここから出してくれと叫ぶ
とうとう耐えきれず私は悲鳴をあげていた
「Aちゃん！Aちゃんおるんやろ！なぁ！！」
扉を叩く音が…
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夜空音 - SAKANAさん» ありがとうございます！私情ですが最近、やるべきことが増えてしまって投稿が止まってしまいましたが。またすぐに続きを投稿するつもりです！ (2018年8月22日 23時) (
レス) id: 8c5a9de848 (このIDを非表示/違反報告)
SAKANA(プロフ) - この小説好きです、泣きました。更新されてないみたいですが待っています。どうかお願いします (2018年8月22日 2時) (レス) id: a3a9931e24 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 変なカピバラさん» ありがとうございます！最近、誤字多いですね…すみません。頑張ります！ (2018年7月24日 22時) (レス) id: df99eb9ad9 (このIDを非表示/違反報告)
変なカピバラ(プロフ) - 控えめに言って好きです。((← あと、167で誤字が見られたので報告です。違憲→意見。お疲れのでませんように…無理せず頑張って下さいね。 (2018年7月17日 1時) (レス) id: 6e0c970f76 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - うおがめさん» ありがとうございます！誤字訂正しておきます！ (2018年7月16日 23時) (レス) id: 3aed2af562 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2018年4月26日 0時
