187，本棚の向こうに ページ45
「あぁ、これだ。こいつだこいつ」
「何か見つけましたか？」
エーミールがグルッペンの持っている本を覗きこむ、私は許可がおりるまで何も出来ないので二人が神妙な顔をして難しい話をしているのを聞いてるだけだった
「しかし、本当にこの天使が主犯だとは思えませんね」
「だが…説明がつくだろ。旧政府から支持があって尚且つ目立たない」
「当時の大天使がねぇ」
うんうんと唸ってる二人と会話に入れない私、悲しいね。別にいいんだけど気になるから早く説明してほしい
何とも言えない疎外感を感じていると視界の端で何かが揺れた
「ストール…兄さん？」
紫色の見覚えのあるひらひらとしたシルエット、それが本棚の向こうに見えた様な気がした
気がしたと言うのは、なんともおかしな話だけれど私の視界には隙間なく並べられた重厚な本棚があるのみだからだ。けれど私は確信して本棚の裏に回る
「やっぱり、兄さんだ！お帰りなさい」
「A？」
「兄さん？というか、Aどこや？」
「あ、こっちこっち」
グルッペン達がいる方に顔だけ出して此方だよと案内する。
まさか本当に本棚の向こうに兄さんがいるとは思わなくて驚いたけど…今日の私鋭いな。あれ？なんか色々できる気がしてきた
「兄さん、帰ってるなら言って欲しかったぞ」
「またすぐ出てまうから一々ええかなって」
「いやいや、報告くらいいいだろう？」
「それよりグルッペン、いいんかその本。移動厳禁や。はよ戻り」
「そうだったな」
いそいそと元の場所に戻っていくグルッペンとそれについていくエーミール、結局その場には私と兄さんのみが残された
「A、暫くみんうちに精悍な顔するようになったな」
「本当？」
「魂も全く濁っとらん、色々乗り越えて偉いわ」
「ありがとう兄さん」
「気づかれんように気配消して図書館来たのにバレてもうたしな」
「そう！聞いて！なんかね兄さんのストールが本棚の向こうに見えた気がして来てみたら本当にいたの！」
嬉しくなってそう報告すれば兄さんは驚いた様に目を丸くした、そして少し何か考えたあと私の頭に手を伸ばしてゆっくりと撫でてくれる
「ほんま凄いなぁ、どんどん人間離れしとるけど」
「うっ、人間離れね。やっぱりしてるのかな」
「ショッピから色々聞いた？」
「うん」
「…そうか。まぁ何かあったら言うてや」
兄さんの手が離れていく、そして図書館から出ていった
出ていくときに違和感を感じた
ただその正体はわからなかったけれど
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夜空音 - SAKANAさん» ありがとうございます！私情ですが最近、やるべきことが増えてしまって投稿が止まってしまいましたが。またすぐに続きを投稿するつもりです！ (2018年8月22日 23時) (
レス) id: 8c5a9de848 (このIDを非表示/違反報告)
SAKANA(プロフ) - この小説好きです、泣きました。更新されてないみたいですが待っています。どうかお願いします (2018年8月22日 2時) (レス) id: a3a9931e24 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 変なカピバラさん» ありがとうございます！最近、誤字多いですね…すみません。頑張ります！ (2018年7月24日 22時) (レス) id: df99eb9ad9 (このIDを非表示/違反報告)
変なカピバラ(プロフ) - 控えめに言って好きです。((← あと、167で誤字が見られたので報告です。違憲→意見。お疲れのでませんように…無理せず頑張って下さいね。 (2018年7月17日 1時) (レス) id: 6e0c970f76 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - うおがめさん» ありがとうございます！誤字訂正しておきます！ (2018年7月16日 23時) (レス) id: 3aed2af562 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2018年4月26日 0時
