155，欠けていく ページ14
「まんちゃん」
「なんや」
「俺達、いつまでこんな所にいるんだろうね」
「わからん」
いつも持ち歩いている刀は取り上げられてしまった、服だって…堕天使が着るべきではない真っ白な服、逆にまんちゃんは天使長が着るべきでない真っ黒な服
「声だけ聞こえて来るのが腹立つよね」
「わかる」
俺達に聞こえて来るのは断罪の予定日、今更のように行われる堕天の断罪…本来ならまんちゃんは燃やされて今頃、転生していたかもしれない
でも、俺達は今に存在しているしお互いの足りない所を補いあってる
「いまさら俺に勉強なんてむいてないじゃん？天使長になんてなりたく無いんだけど」
「せやね」
「いまさら天使に戻れなんてさ、あいつらがまんちゃんいじめなければ俺達、普通に天使だったのに酷いよね」
「そうめう〜」
「…あいつら。俺達の契約を無理矢理引きちぎるんだって…酷いよね。魂を分けた仲なのに」
「ほんまによ」
「……ねぇまんちゃん…ちゃんと喋ってよ。もう…相槌しか打てないなんて…そんなことあるかよ」
「…」
「なんで！なんで喋ってよ！面白い話聞かせろよ！」
大きな鳥籠、その鉄柵に刻まれた術式に触れられ無いよう、更に鎖と足枷に繋がれ無駄に綺麗な真っ白な椅子にオスマンは座っていた…座らされていた、その術が何なのか俺は知っている
いや、本来は知らなかったのに…彼の知識に教えられる
「まんちゃんが必死に勉強した知識なんて俺にはいらないの！お前、勉強し過ぎなんだよ！こんなの俺の頭に入りきらねぇよ！嫌だよ！嫌だよ…」
彼の目は純粋に笑っていた、なにも知らない生まれたての子供のように光る瞳が此方を見つめてくる、此方をみてにこりと笑う
まるで赤ん坊のようになってしまった彼を俺は見つめることしか出来ない
吐いてしまいそうになるほどの情報量が彼の首に繋がれた鎖から伸び俺の両手首に伝わって頭に雪崩れ込んでくる
彼の知識が教えてくれた、魂の契約の唯一の解消方法…上位の悪魔の魔力と大量天使の全知全能
それによって刻み込まれる術式でお互いを繋ぐこと…片方の知識を片方が吸い上げ尽くせば
片方は生まれたての状態に戻る
いままでのことなんて無かったことにされる
ねぇ
このまま、まんちゃんが脱け殻になるのをみてるだけなんて俺嫌だよ？
助けたい
炎の中に飛び込むのがどれだけ楽だったことか
堕天するのがどれだけ単純だったか！
二人でいれば足りない物なんてないのに
どうしていつも引き離されるのか
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夜空音 - SAKANAさん» ありがとうございます！私情ですが最近、やるべきことが増えてしまって投稿が止まってしまいましたが。またすぐに続きを投稿するつもりです！ (2018年8月22日 23時) (
レス) id: 8c5a9de848 (このIDを非表示/違反報告)
SAKANA(プロフ) - この小説好きです、泣きました。更新されてないみたいですが待っています。どうかお願いします (2018年8月22日 2時) (レス) id: a3a9931e24 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 変なカピバラさん» ありがとうございます！最近、誤字多いですね…すみません。頑張ります！ (2018年7月24日 22時) (レス) id: df99eb9ad9 (このIDを非表示/違反報告)
変なカピバラ(プロフ) - 控えめに言って好きです。((← あと、167で誤字が見られたので報告です。違憲→意見。お疲れのでませんように…無理せず頑張って下さいね。 (2018年7月17日 1時) (レス) id: 6e0c970f76 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - うおがめさん» ありがとうございます！誤字訂正しておきます！ (2018年7月16日 23時) (レス) id: 3aed2af562 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2018年4月26日 0時
