94，悪魔になった魂 ページ48
「と、いうことで今日はこのくらいにしましょうか」
「ありがとうございます」
「いえいえ、それよりお茶会の時間を潰してしまい申し訳ないです、良ければ一緒にお茶でもどうですか？」
「お言葉に甘えても…」
「良いですよ、むしろ私は講義も楽しいですがプライベートで貴方とお話したかったので」
上品な笑いを溢しにこやかに微笑むエーミールさん、本当に彼にそっくりで涙が溢れそうになる、しかし彼の前で唐突に涙を流すのは頭の心配をされかねないので深呼吸して気持ちを整えた
「あの、一つお伺いしても？」
「なんでしょう？」
「その…エーミールさんは記憶が無いんですよね？」
命の危機にも関わらず彼に面識があるかどうかをつい聞いた、それほどに私の中で彼は大きな存在だった
『すみません、私には記憶が無いので』
返された言葉に希望はあった、記憶が無い。それは思い出せないだけで彼である可能性もあるということだ、加えてエーミールさんはまだ天界に来てから日も浅く彼と同年代であるということもわかっている
日記もそうだ、いなくなった彼の手がかりになる言葉が記されていた
エーミールが天界に捨てられる前日、花火大会があったという
しかもエーミールさんは元々日本人だとも聞いた、偶然と言うには不可解過ぎる…可能性はまだある
「はい、私に記憶はありません。どうやら、人間界で悪魔絡みの事件に巻き込まれて死んでしまったらしいのですが…何故か地獄を経由することなく天界に放り出され輪廻転生からも放り出されてしまいました」
「輪廻転生からも？」
「普通の死人は地獄を経てまた人間になります、大半はそのまま地獄で自分の罪に見あった罰を受けます。それこそ魂が浄化されるまでの間、悲惨な地獄の罰を受ける魂もいれば、ただただ生まれ変わるまでを眠り過ごす魂もいます。ですから、普通の魂は天使や悪魔にはならないんですよ」
「じゃあ…死んでそのまま悪魔なったエーミールさんは…」
「輪廻転生から追い出されたということになります、天界で使命の元に神の手足となり動く、たまにいるそうですそういう人間が」
「原因はわからないんですか？」
「はい、私は人間の時に魔力の量が格段に多かった訳でも無いので尚更不思議だそうです。そのへんの調査は兄さんがしている途中です」
可能性はある、スプリングだ…私が回りに影響を与えるのならエーミールが死ぬ前日まで側にいた私なら、彼の魂を悪魔にするほどねじ曲げる可能性もあるのではないか？
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夜空音 - 愛蘭さん» ありがとうございます。閻魔についてはモブのような扱いなので誰とは言いません。ご想像にお任せします、読んでいて楽しい方にしてください。 (2018年2月11日 23時) (
レス) id: e45f91e071 (このIDを非表示/違反報告)
愛蘭 - 感想失礼します…！世界観とか本当に好きですしんどいですよもう…ひとつ質問なんですが、閻魔樣ってもしかして赤髪のともさんだったり…?私の勝手な考えなので間違っていたらすいません;;これからも更新頑張ってください！！ (2018年2月11日 3時) (レス) id: e6a6c1647f (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - BOXさん» ありがとうございます！もう少し掘り下げていけたらと思っています (2018年2月4日 0時) (レス) id: ff9c6a4fe6 (このIDを非表示/違反報告)
BOX - 設定とかストーリーとか面白くて好きです!これからも更新楽しみにしてます!語彙力なくて申し訳ないです笑 (2018年2月3日 18時) (レス) id: b4de0e99f9 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - もちさん» ありがとうございます！休みが終わってしまったので更新ペースは落ちますがこれからも頑張ります！ (2018年1月11日 23時) (レス) id: 04cb530f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2018年1月8日 3時
