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[礼王side]
彼女への気持ちを自覚してから俺は彼女の家へ行きづらくなってしまっていた。
そんな中でちょうど仕事も立て込んで俺にとっては好都合だった。
デビューしてから時間が過ぎ、新曲、取材、コンサートの準備などに日々追われていた。
リーダーとしてこのグループを引っ張る。上にいく。世界を目指す。
(……それでいい。それだけでいい。)
そう言い聞かせる。
無心で新曲のレコーディングを終え、帰路に着く。
鈴虫やら、セミの鳴き声やらが聞こえ夏の訪れを肌で感じる。
(夜でもまだまだ暑いな、、、)
と思い歩いていると見覚えのある姿が前に見えた。
「Aさん…?」
『あれ…久しぶりだね!お仕事終わり?』
お風呂上がりなのだろうか、
Tシャツにハーフパンツというラフな格好のAさんがコンビニ袋を手下げて佇んでいた。
Aさん………だめですよ。
そんなに露出した格好で女の子が夜道を歩くなんて。
襲われたりしたらどうするつもりなんですか…?!
つい出そうになる彼氏面の本音を隠して彼女に平静を装って返答する。
「はい。最近忙しくて、今終わったところで」
『そうなんだ〜お疲れ様!あ、礼王くんも食べる?』
コンビニで買ったであろうアイスをニコニコしながら俺に差し出す彼女。
チラッと見えたビニール袋には1人で食べるには多すぎるアイス達。
これじゃ帰路に着く間に何個か溶けちゃうよ、Aさん…笑
そんなところも可愛くてほんと困る…
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作者名:nao | 作成日時:2021年11月19日 22時