【まふまふ】かえってきてよ

#story33 ページ34

Aside







階段をかけ上がって








寝室に走り込む。









『はぁ……っ』




　



息が乱れるのも気にしないまま







隅の机の引き出しを開けた。









『あった……』









手にしたものは……









＿＿＿＿＿＿＿＿＿睡眠薬。









瓶の蓋をくるくると回して








中の"ソレ"を取り出す。









ジャラジャラと、手から零れ落ちていくのを横目で見ながら









適当に何粒か取って、


喉に押し込んだ。



　
　




＿＿＿＿＿＿ついに、慣れてしまった。








この、気管を通る異物感も









吐き出したくなるような苦い味も









全部、ぜんぶ。









もういつから、依存しているのだろう








床に落ちた薬を冷たい目で見つめる。









別に、私としては







眠れなくったって







それが原因で倒れたって




　



どうだっていいのだ。









もう、この身体に望むことはないからね。









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿でも









倒れたらまふくんが、心配するから





　




まふくんに迷惑をかけるから









『これは、私のためじゃない、』








"まふくんのためだから"



　






そこまで考えて、ため息を吐いた。






　


そうやってまふくんのせいにして







　


罪悪感を拭ってきた汚い自分。









こんな性格だから









『……愛されないんだよ』









大体、私が倒れたところで









誰も、心配なんてするわけない。




　






あの日の告白も、私が一方的にやったものなんだから……







　




『…もう、ダメかも』




　







ふらふらと、寝室をあとにした。








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