検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:884 hit

正直者がバカを見る世界なのに... ページ4

.


その言葉を告げてしまったのは、何気ないただの雑談をしている最中だった。


「ジンさんとこうして話すの楽しいなぁ...こんなボクと飽きずに話してくれる人なんてそれこそ首領と同じ研究員くらいしかいないから嬉しい。ほんとジンさん好きだなぁ......」


心の中で言ったつもりだった。


「は...?」
「え?」


目の前で鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をして驚くジンに、まさか...自分の心の中で言ったつもりの...ジンには言わないつもりでいたこの気持ちを伝えてしまったのだろうか。

ボクの予想は、残念ながら当たっていたようで「俺のこと、好きなん?」と聞き返してきたジンの顔を見れず、顔が熱を帯びていくのを感じ椅子から立ち上がる。


「あ、あああああああああああああ!!!!い、いい、今の忘れてくださあああああいいい!!!!」


全力疾走で何か言いたげだったジンをそのまま残して研究室を飛び出し、自室へ逃げるように扉に鍵をかけ閉じ籠った。

一瞬だけ見たジンの顔は、困ったような笑みを浮かべていて...言わなければよかったと後悔するには遅すぎたのも自覚している。

ボクに、幸せになる価値なんてない。

出来損ないで不良品なボクには、誰かに愛されることすら叶わない。

次にジンと会ったらどうしよう...前と同じように逃げるか...

どうせ会いに来なくなるだろうし...



コンコンコン



首領から貰った熊のぬいぐるみを抱き締め溢れ出てくる涙を白衣の袖で拭っていると、不意に自室の扉が控え目なノックを知らせた。



.

正直者がバカを見る世界......?→←知っていること※



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:派生作品 , 代わりになれば , MAFIA , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

緋絲(プロフ) - ハアァァッッッ…!!!ホントニアリガトウゴザイマスッッ… (2021年9月6日 14時) (レス) id: 8f29c92b75 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名無しのチート | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年9月5日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。