転生したら金持ちの子息の専属使用人になりました。 (ページ2)

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１話ページ2

ある日、夢を見た。

そこは、真っ白な部屋で、パネルが目の前にありそこには

｛トリップ先での容姿を選択してください。｝

そう書かれていた。

トリップと言う言葉を何度も脳内で繰り返す。

悪くないな

別に今の生活に不満があるわけではないが、知らない事に対する興味は何よりも強い。

私はパネルに触れ、操作をする。

｛髪の色と目の色を選んでください。｝

それと同時に、パネルに様々な色が表示される。

私は黒を選択した。
黒髪黒眼が１番馴染んでいるからね。

｛血の味を選択してください。｝

血？
なんでこんなの決めるんだろ？

もしかして、トリップ先に吸血鬼いるの？！

私は、この前読んだ吸血鬼の小説では甘い味の血が吸血鬼の大好物ってあったというのが理由で、鉄っぽい味を選択する。

血吸われるの嫌だし。

全て選択し終わると、

「では、今からトリップを開始します。」

と言うアナウンスが聞こえた。

え？
早くない？

私は心の準備が整う前に光に包まれ、意識を失った。

｛エラー発生。エラー発生。｝

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

目が覚めると、私はベッドの上にいた。

ここどこだろ？

というか、綺麗な部屋だなぁ。

そういえば、自分の名前なんだろ。
部屋にある鞄を見ると、［凪沙］と書かれている名札があった。

やる事ないから部屋を見ていると、１人の女性が入ってきた。

すると、その女性は私に抱きつき

「目が覚めたのね、よかった。」

そう言っていた。

え？誰？

『あの、貴女は誰ですか？』

そう聞くと、女性は信じられないとでも言うような顔になる。

「私のこと覚えてない？
私は貴女の母親よ。」

母親、か。
なるほど理解。

というかこれトリップ？
転生じゃね？

なんだっけ、輪廻転生だっけ？
そういうのだった気がする。

まぁいいや、そんな事考える時じゃない。
今はこの母親の返事をしないと。

『いえ、覚えてません。』

すると、母親は少し考えこんだ素振りをした後

「そっか...
まぁいいわ、思い出もまた作ればいいもんね。」

そう母親は言うが、声は少し悲しげだった。

こういう時、なんて言えばいいんだろう。

「じゃあ、もう夜だから夕食にしましょ。
それに、もうすぐ15歳になる貴女に話したい事があるの。」

話したい事ってなんだろ
なんか真剣な顔だけど。