十四頁目 ページ21
今回は冬霞です
______________
翌日
私は今、武装探偵社に向かっている。
きっかけは館長の一言
「これから何かと世話になるだろうから、探偵社にも挨拶にいったらどうだ?」
今日、アカさんとアオさんはこの図書館転移事件についての調査、
館長とネコさんは特務課に呼ばれているらしい。
私も仕事があったが、今は非常事態という事で当分の間はお休みになった。
だから私が行く事になったのだ。
と言っても一人ではない。
昨晩、出発の準備をしていると、司書室にアカさんがやって来て、
「本や特務課の資料を見るとこの町、見かけによらずだいぶ物騒だそ。司書一人で行くのは危ないんじゃないか?」
と言われたのだ。
そこで急遽、刃で一番練度の高い芥川先生と行く事になった。
「突然すみません。よろしくお願いします。芥川先生!」
「大丈夫だよ、僕もこの町が気になっていたからね。文豪達の中でいち早くこの町を散策できるなんて、僕はついているね。」
そう言って先生は微笑を浮かべた。
それにしても、この町は美しい。
こんな町が巨大な犯罪組織の根城だなんて、知らなければわからない。
私達は談笑しながら町を往く。
「そういえば、」
思い出したように先生が言う。
「司書さんは最近は良く眠れているのかい?」
「ええ、お陰様で。」
咄嗟についた嘘だった。
最近は前より寝れていない。むしろ眠るという感覚を忘れてしまったかのように、眠気が消えた。
先生はそれを知ってか知らでか、思いつめた表情で。
「無理をしてはいけないよ、、、」
と一言言った。
__________________
芥川side
「ええ、お陰様で。」
嘘だ。
昨日だって遅くまで司書室に灯りが点いていた。
きっと君の事だから、僕達に"心配をかけないように"とでも思っているんだろう。
図書館新聞に司書さんの不眠症の記事が出た時は誰もが驚いた。
彼女はその事をおくびにも出さなかった、たまにウトウトしている位で、隈でさえ見当たらない。
彼女は一人で抱え込みすぎている。
寛が彼女に、「もっと俺達を頼れ。」と声を掛けても。いつも通り「ありがとうございます。」で終わってしまう。
彼女から僕らに声を掛ける事など皆無だ。
「無理をしてはいけないよ、、、」
彼女の姿にビルの影が落ちる。
彼女は何処かそのまま影に溶けて、居なくなってしまうような儚さを秘めていた。
どこか遠くに僕らを置いて…
「あっ!ここみたいです。」
その声に僕の意識は引き戻された。
41人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬霞 六花(プロフ) - 杏奈さん» おー!頑張るよ、杏さん (2018年11月17日 13時) (レス) id: b8417422b5 (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - やっほー( ´ー`)二人で合作してたんだね!更新頑張れ!q(^-^q) (2018年11月17日 7時) (レス) id: b0400f18c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冬霞 六花・桜吹雪 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bob260f9691/
作成日時:2018年9月26日 18時