□和也 ページ13
――― ずっと、待ってた。
いつか、来るだろうって。
「ごめん、遅れたっ!!」
「ごめんねっ」
とか言って、ダッシュで来るだろうって。
ずっと。ずっと。
教室のドア、見てた。
開くたび、背筋伸ばして。
……けど、違くて。
この行動すべて、
――― 嘘だと信じたい ―――
という、想い。
それ、だけ。
雅紀「…にの、昼飯食べるよ」
和也「…ん」
いつもテンション高い相葉さんも、今日はめっちゃ低い。
"あひゃひゃ"
って笑い声も、聞いてない。
ってか……
今日、みんなと喋ったっけ?
先生「じゃ、挨拶」
そんなこんなで、今日も終わり。
何も、なかった。
いつもなら、
『相葉さんがまたバカやった』
とか、
『大野さんが授業中いびき掻いてた』
とか。
何気ない思い出が、あるのに。
今日は、そんな何気ない思い出さえも、ない。
そして、だんだんと教室から人がいなくなっていく。
だけど、俺ら4人は動かない。
『来る』
それしか、今の俺らの心には、ない。
智「……来ねぇよ」
大野さんが、一言。
雅紀「……来るって」
相葉さんが、一言。
翔「……そうだよ、来るって」
翔さんが、一言。
そして、俺に視線が集まる。
これに勘付いたのは、俺。
だから、まとめ的な存在になってる。
そんな俺の、まとめの一言。
和也「……来ねぇよ」
「……っ、」
大野さんのとは、違う。
大野さんは、待ってるのに、という意味。
けど、俺は。
――― 待っても意味ない、という、意味。
翔「……にのには、違うって言えねぇな」
雅紀「……にのの勘、当たるから」
智「……でも、潤くんの勘も当たる」
まだ、大野さんが"あいつ"呼びしなぃのは。
裏切ったという、証拠がないから。
――― そう、願っているから。
…それは、俺らも同じ。
和也「……俺らの行動も読まれるって、言いたいんですか?」
智「ざっつらいと」
雅紀「あ、行動する前提?」
翔「それ俺も思った」
和也「行動しなぃと、事が済まないでしょ−よ」
智「どいやんの?」
和也「しょっぱなから動くのはまずいから、明日質問攻めにでもしましょ−か」
翔「…ほう」
雅紀「それ、読まれてるでしょ」
和也「最初はこれくらいがいいんですょ。したら、バレてないって思うはずです」
智「さすがにのさん」
翔「じゃあ、明日潤くんに質問攻め、ということで」
俺らの中では、"潤くんだけが悪い"前提になってた。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー嵐
和くん
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作者名：つ む ぐ ＿＿ 。((元じーゅん
| 作成日時：2013年7月24日 23時
