番外編 1 ページ39
このお話は番外編です。htさんの名前は少し省略して書いています。
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幹部になってから割と時間が経ったものの、それでもやはりこの施設は広い。
屋外訓練場で突如強い風が吹き飛ばされてしまった帽子を追いかけているうちに、Aは知らない場所に辿り着いてしまった。
周りには誰もおらず、これといった目印もない。
Aは頭を抱えつつもあたりを見渡した。
『あ、これ…トマト？』
見た先にはまんまるくよく実ったトマトが。
太陽の光に照らされて赤い表面が艶々光っている。
よく見渡すと他にも人参、那須、ピーマン…等が植えられており、ここは畑なのだと分かった。
その中でもAが惹かれたのは、初めて見る白色のイチゴ。
赤の粒々とした種子が可愛らしい。Aは腰を落としそのイチゴ達を近づいてよく見た。
「そんなに不思議？珍しいイチゴでしょ。」
急な人の声にバッ！と後ろを振り返ると、近くにひとらんが立っていた。手にはジョウロを抱えている。
Aはこの畑が彼のものだということを悟った。
『すみませんっ！入るつもりはなかったんです…』
「いいよいいよ迷っちゃったんでしょ？ここは基本誰も知らない場所だし。それよりそのイチゴ、食べてみたくない？」
ひとらんは怒ることなく笑ってAを歓迎した。
そして前にある多くのイチゴのうち実りがいいものを１つ取り、Aに手渡した。
『いいんですか？』
「うん。ちょうど収穫する頃だったから。今が旬だからきっと美味しいはず。」
そう言って彼もイチゴを一つ取り口の中に入れた。
それに続いてAも一口に頬張る。
『……美味しいです！これ、不思議な食感ですよね。イチゴというより桃に近いような。』
「そうそう。頑張って品種改良も重ねて作ったんだよね。今度夕食に出してもらうからその時に沢山食べて。…あ、そろそろ外道丸のところに行かなきゃ。」
白い腕時計を見てひとらんは言った。
『外道丸…？』
「俺の自慢の馬だよ。今からご飯あげに行くんだけどAも一緒に来る？」
そういえばスーツを着ているあの少しだらしない幹部も、ひとらんのことをげどちゃんと呼んでいたことを思い出す。
ともかく外道丸、という何とも物騒な名前の馬にAは興味を抱いた。
『はい。是非ご一緒したいです。』
そしてAとひとらんは人参を少し収穫し別の方向へと歩いていった。
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未雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます。番外編更新しました！是非読んでください！ (2023年4月25日 21時) (
レス) @page39 id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - 凄く面白くてどんどん読んじゃいました！！！もし良ければhtさんとの絡みとかみたいです！！！ (2023年4月24日 19時) (レス) id: b7c8f34430 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。軍パロの中で上位…本当ですか？！他にも素晴らしい作品が沢山あるのにそう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！ (2023年4月19日 22時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え、軍パロの中で上位になるくらいらぶ (2023年4月19日 0時) (レス) @page34 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます。その言葉が励みです…これからもよろしくお願いします！ (2023年4月7日 17時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未雨 | 作成日時：2023年3月11日 9時
